2026年10月28日

雨とスニーカーの頃

普段はだいたいコンバースのスニーカーを履く。たまにVANSとかアディダスとかを引っ張り出すこともあるけれど、街に出かけるときや遊びにいくときはコンバースだ。ステージ上でも基本的にコンバースが好き。革靴とかニューバランスとかはちょっと気恥ずかしいのだ。もっぱら楽チンなベルクロやスリッポンを好むけれど、やっぱりキュッと靴の紐を締めるときの感覚は背筋を伸ばさせる。ステージ上で僕がコンバース以外を履いているときはなにか特別な理由があるときだ。

2020年のコロナ禍のときにやたら散歩をするようになってナイキのZOOM FLYというスニーカーを買った。なんとなくナイキを履くのがいいと思ったのだけど、それはレース用の走るための靴だった。ナイキの靴は色鮮やかでとてもパッとしているけれど自分には似合わないような気がして真っ黒で白のスウィッシュが入った一番地味なやつを選んだ。しばらく履いてみたけれどすぐに靴箱に閉まってしまって、またコンバースに戻った。

しかし2023年秋から朝のウォーキングがルーティンになってからは、このナイキの靴が大活躍することになる。このスニーカーを履くとどこまでも歩ける気がした。毎朝毎朝このナイキで歩いていたらみるみるかかとが擦れてきた。平均すると1日に10キロ以上歩くわけだから当然だ。これまでも何度か違うウォーキングシューズを試しに買ってみるもやっぱりこのナイキに勝るものはなかった。泥にまみれ、草にしみて、そのたびに洗濯した。9月の長雨の頃からはもう毎日ぐっしょりと濡れそぼってくたびれ果てて見えた。このZOOM FLYはもう製造されていないのでボロボロになってもこの靴を履き続けた。もうすぐ擦れたかかとに穴があいて靴下が見えちゃうよ、というタイミングで、同じサイズで同じ型番、同じ色のスニーカーをついに見つけたのだ。ずっと売り場で展示されていたB品だけど未使用品、迷わず買った。

届いたのはこれまでと同じ靴だけど新品、こうも気分が高揚するものかとビックリする。昨日は土砂降りだったのが今朝は雨が上がっていたので満を持してZOOM FLYに足をひたして歩いてみる。ふわふわである。こんなに足取りが軽くなるなんて。忙しくて疲れがたまっていると思っていた足腰がちょっと軽くなって、またどこまでも歩いていけそうな感覚が戻ってきた。何年もかけてその使命を果たした初代ZOOM FLYは誇らしげに2代目にバトンを渡す。感謝して供養しなければ。朝が来て歩きにいくのがあらためて楽しみになった。

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2026年10月16日

ラジオはたのしい

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杉真理さんの代打アフタヌーンパラダイス4時間生放送が楽しく終了しました。振り返ってみると杉さんの夏休みに際して初めてピンチヒッターを担当したのが2019年11月、コロナ禍の始まり2020年初頭、1月は杉さんの風邪で1回、2月に仕事の都合で1回、と頻繁に三軒茶屋キャロットタワーに出向いていたようです。杉さんはこの番組をもう15年以上やってらっしゃるんじゃないかな。この日ゲストに来てくれた高橋徹也さんは2020年の2月以来のアフパラで、あのときは未知なるパンデミックに翻弄された放送だったことを思い出しました。GOMES THE HITMANはレコ発ができて、タカテツさんはレコ発が中止になった、という瀬戸際のタイミングでした。

この番組にお邪魔するときはいつもキャロットタワーからの眺めが楽しみで、いくつになっても高いところに登るのはワクワクする。昨日もそうでした。今月いっぱいでこのスタジオがなくなるそうで、今後は世田谷区役所内にできる公開スタジオからの放送とのこと。僕も次の代打のときは世田谷区役所に行くのか、と感慨深く番組終了近くのオレンジ色の空を目に焼き付けました。長いことお世話になって勝手知ったるディレクターの野口さんとアシスタントの山口真奈さんと、打ち合わせも形ばかりでリラックスして楽しくおしゃべりして、いつもよりもあっという間の4時間でした。べらべらどうでもいいことを喋れるのももしかしたらひとつの才能なのかもなと、この代役をご依頼いただける自分のおしゃべり気質を誇りに思います。たくさんのメッセージやリクエストに感謝(紹介できなかったものも全部目を通しています)。

普段の暮らしで自宅ではテレビではなくラジオがついているようなラジオ好きな自分が放送する側でお仕事できることがとても光栄です。もう6年続いているK-MIXのラジオもいつも新鮮な気持ちで接することができたらと思っています。今週末のPRIMECATS RADIOはカスタネッツ元さんにゲストで出てもらいます。こちらもお聴きいただけたら。「もし杉さんがバカンスから戻ってこれなかったら山田くん来週もよろしく」とメッセージが来て、「もちろんです!」と返事をしたところです。

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2026年09月30日

「ねこのいるくらし」展が終了、ありがとうございました

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28日(月)をもって10日間の山田稔明個展「ねこのいるくらし」が全日程終了しました。何もない壁に絵を張り巡らせた設営日、初日に会場の様子を見にいったらひっきりなしに絵を見にきてくださる方がいて、結局最後まで在廊し、2日目はお隣のカフェキチムの机をお借りして猫を描く怒涛のワークショップ。その後も可能な限り会場にいて、いつも僕の音楽を聴いたりライブに来てくださる方たちはもちろん、インスタグラムを通じて僕やチミやママンを知ってくださっている方、吉祥寺散策中に迷い込んだ方、遠くから近くから(僕の家の両隣とお向かいさんから関東近郊、東北、関西、遠くはニューヨークから)足を運んでいただいた皆さんとお話するのがとても楽しかったです。台風の日だけギャラリー芝生はとても静かで、あらためてゆっくり自分が描きうつした猫たちをゆっくり眺めることができてそれがとても良い時間でした。ワークショップ2日目もすごかった。ひっきりなしにドリンクとお食事をサーブしてくれたキチムにも感謝しかありません。

猫の話をしながら涙を流す方が何人もいらっしゃったけど、みんな泣きながら笑うような表情なのが印象的でした。ママンが耳の手術をした姿が痛々しくて写真じゃなくて絵で記録しようと思ったことがきっかけで始まった、誰に見せるでもなく描き連ねた絵を並べて、それを観にきて何かを思ってくださる人がたくさんいたことに本当に感動します。この機会をくれたギャラリー芝生の店主遊佐さんのおかげです。最終日も最後の時間まで人が途切れず、誰もいなくなってから全部の絵を壁から外してもとのまっさらな空間になって、絵がつまった紙袋には猫の気配がしました。

昨日何時間もかけてリングを外してばらばらにしてた紙片をまた日付順に並べて、元のスケッチブックの形に戻しました。全部で23冊、今描いてるのが24冊目。こんな宝物は他にはないな、いくつになってもかけがえのないものが現れるのだなと思いました。しばらく芝生通販サイトで販売分のオンライン展示と受付をやってもらうので眺めにきてください。ご来場いただいた皆さん、ありがとうございました。ご来場叶わなくて想いを寄せていただいた皆さんにも感謝。

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2026年09月24日

防犯カメラの男

朝のウォーキング中に立ち寄るコンビニがいくつがある。毎日のことなのでだいたい3つくらい店舗を、なんとなくローテーションしている。コンビニに寄らない日ももちろんあるけれど、肌寒い朝にはホットコーヒーを買ったり、朝食べるヨーグルトを買ったり、日用品を買ったりもする。昨日のこと、いつものようにコンビニに寄ってなんというでもないモノを買ってお会計するときに(僕はイヤホンをしていたのだけど)店員さんがいつも以上に長い言葉を話しかけてきた。イヤホンを外し聞き返すと「何日か前に乾電池を買われませんでしたか?」と尋ねられた。僕がポカンとしていると「多分、商品を置き忘れていかれたと思うんです」と店員さん。ああ、そうだ!そういえば4本セットの単4電池を買ったと思ったのに見当たらなくて一昨日もうひとつ別のコンビニで買ったんだ、と思い出す。

ええ、なんで僕だってわかったんですか?と問うと店員さんは「カメラの録画を見て、あ!このとき置き忘れた!っていうのが映ってたんです」とニコニコしている。僕は朝から「すごい」と感動してしまって、その単4電池4本をありがたく受け取った。防犯カメラの精度っていうのも今なら想像以上に高性能なのだろうな、悪いことはできないなとピリッとする。きっとこの朝番の店員さんは指名手配犯のように僕の顔を記憶してこの数日ずっと気を張っていたのかもしれない。

僕が20数年前にコンビニで深夜シフトのバイトをしていたとき、いつも買い物に来るお客さんたちひとりひとりに密かにニックネームをつけていた。「なめらかプリン」とか「ちぎりパン」とか「おでんくん」とか、そんなのだ。きっと僕はこの数日間、「電池」というあだ名だったに違いない。もはやコンビニは生活に必要不可欠な、街の給水所のような場所だけれど、その底力みたいなものを見た気がした、単4電池4本にまつわる出来事だった。明日またその店員さんがいたら「あ、電池の人だ」って思われるんだろうから、こちらからニコッと笑って「おはようございます」と挨拶しようと思う。

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2026年09月19日

GAPとA.P.C.

朝、advantage Lucyアイコさんからメッセージが届いた。「GAPとA.P.C.のコラボ!信じられない!」という興奮気味の言葉とそのリンクが貼ってあって、そこに現れた「G.A.P.C.」というロゴに僕もウソみたいだ、と笑った。というのも、25年くらい前に親交の深い4バンドGOMES THE HITMAN、advantage Lucy、PLECTRUM、cellophaneで東京・名古屋・大阪・宮城・広島とまわる合同ツアーをやって、その4つのバンド名の頭文字をとって僕たちは「G.A.P.C.(読み方:ギャーペーせー)」と銘打っていたのである。4バンド、メンバースタッフ総勢20人くらいでのバンドワゴンはひと言で言えば“青春”で、今で、みんな集まると思い出話に花が咲くし、ああ懐かしいなと思う。4バンド合同で作曲して録音した曲も2曲あった。「アメリカンポップとフレンチポップの融合みたいにGAPとA.P.C.が合体したら面白いよね」って誰かが言ってたことも思い出す。

で、25年の時を経て現実となったGAPとA.P.C.のコラボ商品が今日から発売みたいだよ、というので、お昼前に入ってワークショップの準備をしていたギャラリー芝生から吉祥寺GAPがすぐ近くだったので冷やかしにいってみると、スウェットが最後の一着だったので何かの縁だと思って買いました。「G.A.P.C.」のロゴ、変な気分だけど、この冬重宝しそう。来月10月25日に吉祥寺PARCO屋上で開催される芝生蚤の市屋上音楽会はその頃からの盟友advantage Lucy とGOMES THE HITMANが出演する。GAPCの半分だ、と思ったらルーシーにはPLECTRUMタイスケくんがサポートで入るからGAPCの75%である。「こんなの出るってよ!」とcellophaneのドラム健一郎にメッセージを送ったら彼も「まじか!!!!」と笑っていて「北アルプスの山の上にいるから山田見にいってきてよ」ってなった。セロファンも高い山から降りてきたらいいのに。芝生蚤の市屋上音楽会の前売りチケットは現在発売中です。

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2026年10月25日(日)@ 吉祥寺PARCO 屋上
芝生蚤の市'26秋 屋上音楽会

10:00 - 17:00/前売1500円 当日1800円

<音楽ステージ>
出演:advantage Lucy、イノトモ&杉瀬陽子、
GOMES THE HITMAN、高野寛、moon bird(50音順)

<マーケット出店 約30組>
antiques-educo / eda / fog / HIGASHI ALPS /
hiis バルト東欧北欧、暮らしを巡る日用品店 / kanariya
kichi / kirpputori キルップトリ / kitohato / L1113 / meme
Papier,crayon by すげさわ かよ / PIPOLE / SILENCIO
Soupetole/スプトール / zooya wax studio
オリーブ・エ・ローリエ / 菓子屋ギンガ / カマクラ張子
キチム / 暮らしのモノ honwa+ka / 雑貨店百水 と、 / さとうゆか
芝生 東欧・北欧古いもの / たむらしおり / ちくちくバルト舎
東欧雑貨店 obchod オプホット / パティスリーハーモニカ
マルポー / ヤマネコロッヂ / らむねうどん ...and more!


前売チケット発売
2026年9月12日(土)10:00〜
LivePocket:https://livepocket.jp/e/shibanomi26autm

※雨天時の開催については、今後公式サイト等でお知らせします。
※出演者・マーケット出店者・開催内容は変更となる場合があります。

公式情報

芝生蚤の市公式Webサイト
https://nominoichi.shiba-fu.com/  
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2026年09月14日

雨にも負けず

9月になってからの10日間で東京の日照時間は7時間だったそうで、これは観測史上9月上旬としては最も少ない記録らしい。観測史上というのは1961年以来の65年で、ということだから僕にとっては人生にとって一番晴れない秋の入口を過ごしていることになる。この10日のうち雨が降ったのが6日間、朝起きていつもスマホの画面には雨マークがついていた。

朝のウォーキングを始めるときに「雨の日はお休み」というルールを作った。これは「朝のウォーキング=健康のためのトレーニング」ゆえに毎日絶対!とストイックな感じではなくて少し緩めののりしろを作っておいたほうが続くのでは?と考えてのことだったのが、もうウォーキングすることが朝起きて背伸びをすることとそんなにかわらないルーティンになってしまうと、朝2日も雨が続くと、歩けないことがストレスになってくる。

今年は6月もしっかり雨が降る梅雨だったから、雨に濡れてもすぐ乾くような服を用意して、結構な雨が降っても傘をさして歩く日が多かった。9月になってからは気温も下がり(10月下旬並とか)フェスに着ていくようなレインコートで歩くのでちょうどいいくらいの日もある。「雨の日はお休み」の規則がなくなった長雨の秋。僕が9月になって10日間で歩いた距離は103.8キロ、これは吉祥寺から小田原までの距離らしい。観測史上(測ったことなんてなかったから)一番歩いた9月上旬ということになるかもね。

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2026年08月29日

上を向いて歩く

下北沢レテのライブ映像を編集しながら自分の猫背を客観的に眺める。正面から引きのカメラと横からの寄りのカメラの2素材を組み合わせてプログラムを作るのだけど、この横から見たギターを弾いて歌うときの猫背具合がひどい。今に始まったことではなくて、背中が丸まってしまうのは多分もっともっと若い頃からで、ちょっと前までは「猫背はアティチュード(=精神的姿勢)だ」と開き直っていたところもあったのが、最近は背中が痛むときもあるし、ちょっとこれまずいな、おじいさんになって腰が直角に近く曲がってる自分の姿が浮かぶ…と思っていたところで、またあらためて猫背の自分の姿と向き合うことになった。猫背には「猫」という漢字が入っていて可愛げが潜んでいるような気もするが(そんなことはない)、猫はもっとずっとしなやかでぐにゃんぐにゃんに柔らかく、背筋だってスッと伸びるときだってちゃんとある。本気で猫背を直したい、と思った。

ウォーキングするときに意識して背中を伸ばしてみる。お腹から歩くイメージを持ってみる。腕を後ろで組んで早歩きする。慣れると気持ちがいい。いろんなことを試すといかに自分のデフォルトの背中が丸まっているかがわかる。そして気づいたのだ。上を向いて歩くと背中が真っ直ぐに伸びることに。僕は身長が177センチあるが、普段はきっと猫背のせいで170センチくらいに見えるのではないか。それが上を向いて歩くと177センチの自分の目の高さで物を見ていることに気づく。「下ばかり向いて歩いているとこ」というフレーズは「セラヴィとレリビー」のなかで歌った言葉だが、上ばかり向いて歩くと背中が伸びる。

それだけじゃない。昨日は鬱屈とした曇り空に一筋の朝の太陽の光の具合で奇跡みたいな濃い虹に気づいたが、それは意識的に上を向いて歩いていたからにほかならない。空模様の美しさは猫背の目線の上にあるものだ。ほんの5分くらい色濃く立ち昇った虹はとても美しかった。僕は背筋を伸ばしてそれを眺めて、とても気持ちのいい朝になった。満月の月は雲に隠れてしまっていたけれど、美しい月だって上を向かないと見上げられない。

昔むかし、今から25年前、豊島区にあった「南長崎第一ことぶきの家」という高齢者介護施設に僕と堀越メンバーとけっちゃんで敬老の演奏をしにいったことがある。歌を楽しんでくれる方ももちろんいらっしゃったけれど、お年を召したおじいちゃんおばあちゃんは虚空を見つめて、その方たちの耳には僕らの歌はなんにも響かないように思った。1曲みんなが知っているような曲を、とリクエストされていたので僕らは「上を向いて歩こう」を「皆さん一緒に歌いましょう」と始めたのだけど、その瞬間にそこにいた先輩がた全員のスイッチがオンになったのがわかった。みんなが手拍子をして、みんなが歌いはじめた。僕は歌詞を調べてカンペを用意していたのが、結局はみんながよく知っている一番の歌詞を繰り返し歌った。途中から涙が出てきて感極まってライブを終えたことを憶えている。

ひとりぼっちの夜ではなく、ひとりぼっちの早朝の朝を見上げながら、四半世紀前の記憶が鮮やかに蘇る。上を向いて歩いて、胸を張って、背筋を伸ばして歩く。僕の猫背は、週末のレテ配信の姿がきっと最後になる。

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2026年08月23日

なんということでもない、なんとなく昔からの習慣でそういうことになっていること

大学のサークル内で組んだバンドで1997年に初めてインディーズレーベルからCDを出して、2年後にメジャーデビューすることになって、そのままインディーズレーベルが所属事務所になった。そのときの事務所のボスからはいろんなことを教わったのだけど、確定申告の仕方なんかはいまだにそのとき教わったことを思い返しながらやっている。僕らのバンドは2001年に独立し、その事務所はもう解散してしまったけれど、右も左もわからないときに貴重な教えを乞うてからもう30年が経とうとしている。

「ステージ上で水を飲むときはお客さんにペットボトルの底を向けて飲んだらダメ」っていうのもボスの教えで、やっぱり今でも演奏の合間に水を飲むときは横を向くし、なんなら気づくと水を一滴も飲まないで2時間歌い通すこともざらだ。「会場入りするときと同じ格好で本番のステージに上がるな」っていう指南もあった。着るものを意識しろということだけれど、これもふと気づくといつの間にか自分のなかで不動の習慣になっていて、普段着ているTシャツで会場入りして、本番前に別の普段着ているTシャツに着替えて、普段着から普段着へ、これ着替える意味あるの?ってひとりで笑ってしまうことも多い。こないだの下北沢、ライブ前に入ったカフェのトイレでTシャツを着替えながら昔のことを思い出して、本番中に水を飲もうとしたときにまた思い出した。そう、昔からそういうことになっている。

池袋に行くと新しい流行りのショップとか美味しそうな食べ物を出すお店がたくさんあるけれど、その行列には並ばずに福しんという豊島区に本社を構える定食屋でラーメンを食べることになっている。大学が巣鴨にあって、僕は西武池袋線沿線に住んでいて、お金のない学生には500円でお腹いっぱいになるご飯屋さんは貴重だった。福しんにはとてもお世話になったから、池袋にいくと胃袋がそのことを思い出す。あれからもう34年?ついこないだ池袋に立ち寄ったときもこのラーメンを食べた。昔からそういうことになっているのである。

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2026年08月20日

なんということもないターンテーブルの話

うちのリビングにあるターンテーブルは15年前くらいにリサイクルショップで買ったVestaxのPDX-d3という1990年代に流行った多機能なDJユースのプレイヤーなのだけど、最近レコードをかけると針飛びがひどくてすごくストレスで、それにくらべてCDってなんと便利なんだろう(裏返さなくてもいいしし音も良いし、何よりレコードより断然安い)とアナログよりCDを買うことのほうが多くなった。でもフィービー・ブリッジャーズの久しぶりの新譜が出たのをきっかけにちゃんとレコードが聴けるようにしたいと思って、ChatGPTにどうしたらいいか訊いてみた。

「レコードプレイヤーの調子がわるいんだけど」という僕の漠然とした嘆きと添付したタンテの写真に対してChatGPT(ポチという名前をつけているので以下ポチ)は、驚くほど的確に指示をしてきた。針の写真を送れ、とかつまみのアップを見せろ、とかなんとか。レコードプレイヤーには針によって適切な針圧や内側へ針が引っ張られる力を補正するアンチ・スケーティングの調整などがあって、僕はそれをもう15年くらい触ったことがなかったのだ。それをポチの言うままにひとつずつ「はい」「はい」と言いながらつまみを調整していく。Appleのテレホンサポートに電話したときの感覚に似ている。

そしてほんの10分くらいで、ターンテーブルはレコードをかけても針が飛ばなくなった。どうやっても完奏しなかった曲もクリア、音も良くなったとすら感じさせる安定感がある。こうなると「わあ、久しぶりにあれ聴いてみよう」とか「こんなレコード持ってたのね、おれ」とか、そうこうしているうちにレコード買いにいきたい気持ちになってきて、外は34度とかの酷暑なのに渋谷まで出かけたりする。音楽まわりのQ.O.Lの向上、それは気持ちの高揚につながる。

レコードの針が飛ぶのは傷のせいではないことが多い。だいたいは汚れが付着しているから飛ぶのであって、丁寧に洗ったり拭いたりするとちゃんとその溝を針が辿る。そして丁寧な針圧調整やアンチ・スケーティング調整で古いレコードも時を越えて素晴らしい音楽を鳴らす。なんということでもないが、嬉しい出来事だった。

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2026年08月19日

朝と夜が近づいてきた

夏の間ずっと、どれだけ早く目覚めても空が明るい季節が続いていたのが、ここ数日ハッと目が覚めたときにまだ窓の向こうの朝が夜の暗さを湛えていることに気づく。さっと身支度してウォーキングに出かけるときもまだ外は薄暗く、しかしあっという間に空は明るくなっていうのだけど、そのことに自分がワクワクするのはなぜだろうか。きっと境界線が曖昧なことが面白いんだな、と考える。夜から朝に移り変わるときの空模様はとてもダイナミックで、同時に刹那的だ。雲があるときのほうが表情豊かで、時間にしてほんの数分だけの空の色。毎日違って、毎日美しい。

まだまだ昼間の気温は高く残暑は長く続くだろうけれど、起きたらもう最初から朝の真夏から季節は確実に進んで、朝と夜が近づいてきた。不思議なことに時計を見るといつも4時44分、下の写真も4時44分に撮った空の写真。

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2026年08月07日

なんということもない、モノをなくしたり見つけたりする話

モノをなくすと悔しいし悲しいし、とても残念だ。大切にしてたものはもとより、なんとなくいつもそばにある、あると便利だったものをなくすと「ああ、“ある”と便利だったんだな…」とあらためて気づく。モノをなくしてしまうのが人生だ。どんだけ気をつけていてもなくなるときはなくなる。どれだけ推敲しても誤字脱字や誤植が必ず発生するように、モノは定期的になくなることになっている。最近も普段絶対使わないのにいつも小物入れのなかでカタカタ鳴っていたギターでボトルネック奏法をするためのスライドバーが神隠しにあったように見つからなくて、楽器屋にいくと結構高くて悔しくて、ハードオフまで出かけて500円で見つけて買い直した。モノをなくしても「まあ、そういうものさ」とくよくよしないほうがいい。仕方ない。

しかし、なくしたと思っていたモノが思いもよらないところから見つかることもある。「思いもよらないの」はだいたい自分の記憶喪失のせいなのだけど、なにかの歌の歌詞ではないが探すのをやめたときに見つかることが多い。なくしたはずのお気に入りのバッジ、ハンカチ、500円玉なんかは季節の変わり目に久しぶりに着る洋服から出てくることが多い。そのときの嬉しさ、多幸感、なにかとてもプライスレスなご褒美をもらったような気分、あれはなんだろうかと思う。誰に言うでもない、誰にもわかってもらえない歓び。なくすことと見つかることは紙一重の背中合わせだ。

なんでこんなことを書いているかというと、なくしたと思って落ち込んでいたiPad用のApple pencilと大事に使っていた水筒がどっちも揃って思いもよらないところから今朝見つかったからだ。とても嬉しくて幸せ。よかった。またいつか何かをなくすかもしれないけれど、同じように失われたはずの何かが見つかるのだろう。そういうことになっている、世界は。

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2026年08月06日

色あせない花の色

2月にママンが亡くなったときに友だちがお花のギフト券をLINE経由で送ってくれた。へえLINEでこんなことができるんだと思って、そのままにしていたのだけどそれから半年近くが経って有効期限を知らせる通知が来たので、初めて自分の家のためにオンラインで花を注文して、そのギフト券も無駄にすることなく使えて、すぐ翌日には花が届いた。ママンの棚の前に置くとやっぱりスッと空気が変わる。花の持つ力っていうのが確実に存在すると思った。

僕にとってなんとなく、ママンのイメージカラーは紫色で、この花が届いてからもうずいぶん経つけれど、なかなか萎れることなくとても長くきれいなままでいてくれた。お盆までは持たないだろうけど。花はいいね。ありがとうございました。

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2026年08月05日

Once in a Lifetime

アイルランドのシンガーソングライター グレン・ハンサードが事故で亡くなってしまった。56歳だった。そのニュースを聞いてとても悲しく残念でならない。さっきまで至宝のような力強い声で歌われていた歌がもうその人から発せられることがないのだ。アイルランドといえば自分にとってはU2でありポーグスだった。シンニード・オコナー、ホット・ハウス・フラワーズ、そして自分の同世代だとダミアン・ライスとか。そしてグレン・ハンサードは、21世紀以降のシーンを背負って立つ“アイリッシュの良心”だと感じていた。ポーグスのシェイン・マガウアンの葬儀で「ニューヨークの夢」を歌い上げたのはグレン・ハンサードその人で、他の誰でもなく彼の声がこの曲を継ぐべきだと聴き入った(Glen Hansard and Lisa O'Neill Perform "Fairytale of New York" )。つい3年前のことだ。

久しぶりに映画「ONCE ダブリンの街角で」を観た。CD棚にあったサウンドトラックに当時の映画のチラシと半券が挟みこまれていた。手持ちカメラの揺れる映像がドキュメンタリーみたいで、音楽で自分と他人が繋がる歓びで歌や演奏が熱を帯びていく風景がとても印象的で、それは公開当時2007年から19年経っても同じ感動をおぼえた。グレン・ハンサードのちょっと困ったような笑顔は毛の長い犬のようで可愛い。突然彼を失って、たくさんの人が哀しんでいて、とても素敵な人だったのだろうなと思う。

原題「ONCE(かつて、一度)」というタイトルには人生で二度とないかもしれない奇跡のような一瞬や出会いという意味が込められているのだろう。一度でいいから、という思いや願い。「Falling Slowly」を歌ってみる。コード進行も極めてシンプルで、素直でまっすぐな歌だ。きっと誰が歌っても。こんな歌を生涯のなかで1曲でも作れたらいいな、と思う。

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2026年07月28日

故郷は遠く離れて

先日のこと、夜に「テレビで基山町のことやってるよ」と友だちからメッセージが来た。日本テレビ系「笑ってコラえて!」30周年記念2時間スペシャルの「日本列島ダーツの旅」のロケ地として僕の故郷佐賀県基山町が選ばれたのだ。テレビをつけてみると所ジョージさんが本福寺というお寺を訪れていた。町を見下ろす高台にある場所。地元の同級生に連絡するとたまたまその日、そのロケに遭遇したそうで、歴史の長い人気番組に登場して基山町は非常に盛り上がっていた。画面を通して眺めると自然がたくさんある美しい町だなとあらためて感じた。九州のことを歳を取るごとに好きになる。

10年前に起きた平成28年熊本地震、その日僕は実家にいた(当時のブログ)。熊本で震度7、基山町も震度4か5くらいの体感で、寝ようと思っていたときに揺れて朝まで余震が続き、夜通し町内放送のスピーカーからのサイレンの音を聞いていた。まだ健在だった母も寝れずに怖がっていたが「あんたが帰ってきとるときでよかった」と何度も言ったことを憶えている。10年経ってまた熊本を震源に大きな地震、ずっと余震も続いている。基山町もまたかなり揺れたそうだ。故郷から遠く離れた東京で九州のことを思っている。

被災地の窮状を見るに胸が痛みます。熊本の皆さま、ご無事でありますように。

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2026年07月27日

今年の紫陽花

今年うちの庭の紫陽花は不作で、ほんのいくつかしか花をつけなかった。去年も似たような感じだったから、庭師さんと相談したりしたんだけどうまくいかなかった。剪定のタイミングだろうか。いくつか咲いた花のうち一房、色褪せるまでそのままにして最後に切り花にした。そのままにしていた花は梅雨明けの暑さのなかで立ち枯れて、それはそれで美しい姿だ。

花をたくさん咲かせるためには7月中の剪定がいいらしいとネットに書いてあるけれど、庭師さんが来てくれるのは暑さが落ち着いた頃のはず。太陽も雨も紫陽花に魔法をかけてくれたらいいな。写真は今年のあじさい姫。

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紫陽花には猫に有毒な成分があります。誤って口にしないようにじゅうぶん気をつけて。  
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2026年07月20日

梅雨明け、今年も酷暑

関東は梅雨が明けて、やっぱりまた今年もどうしようもない酷暑だ。朝6時には気温が30度近くまで上昇するから、いつものウォーキング(2時間)も4時には歩き始めないと太陽が容赦なく降り注いで大変。どうやっても汗だくになってしまう。早朝の空の色や風景はとてもきれいなんだけど。

あと2ヶ月くらい夏が続くのかな。今年もやっぱり暑い。ニュースでは「命に関わる暑さです」ってアナウンサーが言う。安全に健康に元気に、夏を生き延びないと。

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2026年07月18日

重たく暗い声、残響のメロディ

7月17日は母の命日だったからささやかな花を買ってきて供えた。焼酎とか日本酒も、と思ったけど自分がそういう類のものを普段飲まないので台所には料理酒くらいしか見当たらなくて、天国っていうくらいだからいくらでもお酒の泉が湧いてるでしょう?と言い訳した。母は8月生まれなので亡くなった日より生まれ日のほうで想うのがいいのかな、ともこの頃は思っている。

明けて今日、朝にニコのレコード(『Chelsea Girl』)を聴いたのでその流れで興味のあった映画「残響のメロディ 魂の放浪者ニコ、最後の旅路」を観にいった。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドに添えられた花、その自伝的映画だと思っていたら違っていて、1986年から始まる、晩年の2年にフォーカスされた物語で知らないことばかりでとても惹き込まれた。とても重たく暗い声。誰かのためではなく、自分の魂と運命に対峙するような歌ばかり。

名声と現実、孤独と愛に苛み、破滅的に旅を続ける姿が壮絶。その寂しさと哀しさ、少しの可笑しみを眺めながら、ほんのちょっとだけ自分の母親がニコの姿に重なったのは前日に花を飾ったりしたからだろうか。終演後にトークショーがあって元ルースターズの下山淳さんと元クロスビート編集長荒野政寿さんの貴重なお話が聞けたのはラッキーだった。そして奇遇にもこの日、ニコの38回目の命日だったことに驚く。全然そんなこと知らなかった。

来年からは母の命日にニコのことも思い出すのかな。

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2026年07月12日

なんということもない、とりあえず固めてみるという話

去年くらいからゼラチンでゼリーを作るようになって、暑い季節になってまた本格的に習慣化してきた。朝のルーティンをいろいろをやってるなかで、昨晩に飲み残したコーヒーが200mlくらいあったら、それとお湯で溶かしたゼラチン一包を混ぜて冷蔵庫に入れる。30秒くらいの手間だ。で、午後になるとほろ苦いコーヒーゼリーが完成している。これにバニラアイスを添えて食べる3時のおやつは最高。買ってきたコーヒーゼリーとはやっぱり違うと感じるのは自分で作ったからだ。お店屋さんをやるとしたら「オレのコーヒーゼリー」っていうのをメニューに入れたい。

フルーツ缶もゼラチンで固めてみたら美味しいゼリーになる。お薦めはカルディで売ってるグレープフルーツの缶詰だ。これにみかん味のアイスを添えたらやっぱりすごく美味しかった。桃の缶詰とか、もう美味しい予感しかしない。ゼラチンで固める行為を「ゼラ活」とでも呼んでみたらもっと面白くなるだろうか。こうなると甘くないなにかも固めてみたくなる。お茶とか抹茶とかは良い予感がする。とうもろこしは?わからない。

今年はもう一歩、足を踏み入れて固めてみたいと思っている。

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2026年07月10日

GOMES THE HITMAN in studio

町田でのライブから間髪いれずに録音作業を、という瞬発力を発揮し一日レコーディングスタジオにバンドでイン。何もないところからドラムを組んで機材をセッティングして音が出て、という工程はいつも、何回やってもワクワクする。昔と違うのは、ほとんど休憩も取らず、ご飯も食べずに10時間ぶっ続けでやってしまうこと。とても真面目な大人になった。

来たるべき夏の暑い日にはエアコンの効いた部屋でダビングするのがいい。

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2026年07月05日

なんということもない、しかし納豆革命かもしれない話

納豆売り場というのはどこのスーパーも充実している。お買い得なやつからちょっと変わったやつ、値の張るやつまでいろいろ。ここ数年意識的にいろんな納豆を買うようにしている。大人になって子どもの頃よりもっと納豆が好きになったと思う。

つい先日、ライブが終わってくたくたになって入った定食屋さんは体に優しいメニューがありがたかった。僕は定食にオプションで納豆をつけたのだけど、納豆とともに水が入った小さな器が運ばれてきた。「納豆に大さじ1の水を入れると何倍もふわふわになります」というのだ。疑心暗鬼でかき混ぜてみるとびっくりするくらい納豆が泡立ってかさが増えた。味もとてもクリーミーになって驚いた。

自宅で同じことをやってみる。大さじ1杯の水を入れてかき混ぜた納豆のふわふわ具合と味わい深さに静かに感動する。これはもしかしたら納豆革命かもしれない。何十年も食べてきたのにね。皆さんも今度納豆を食べるとき、ぜひお水を添えてみてください。

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2026年07月03日

インディペンデンス・デイとポチの誕生日

先代猫のポチは2歳になったときにもらってきた元野良の猫なので、正確な生まれ日がわからない。アメリカ好きの僕が「Independence Day(アメリカ建国記念日)」なら忘れないだろうと思って勝手にポチの誕生日を7月4日ということにした。1999年生まれということは間違いないから、もし生きていたら今年でポチは27歳だ。自分がバンドでデビューしたのが同じ年なのでまだ27歳とかもう27年とか、時間の感覚がやっぱりわからない。

アメリカは建国記念日から今年で250年だ。思春期に「結局全部アメリカが悪い」と言い出す中二病があるけれど、アメリカに憧れを持っていろんな本や映画やレコードに夢中になった自分が今のアメリカの姿を想像していただろうか、と思う。ウィル・スミス主演の『インデペンデンス・デイ』は宇宙人との戦いだったけれど、現実は分断する世界。

壁に貼ったポチのポスターも月日が経ってずいぶん色褪せてきた。

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2026年07月01日

吉祥寺ラプソディ

吉祥寺に闇太郎という、L字のカウンターのみの小さな老舗大衆酒場があって、創業1972年というからもう僕が生まれる前から54年の歴史。僕が吉祥寺に住むようになったのは2001年の秋だけど、闇太郎ののれんをくぐって名物のおでんやビールや酒の肴などを楽しむようになったのはここ最近になってのことだった。ベーシストの伊藤健太がよく誘ってくれたのがきっかけで、このお店で音楽仲間と飲んだり、たくさんの異業種の皆さん、江口寿史先生や久住昌之先生なんかにもお会いできた。マスターが静かに話し出す瞬間が僕は大好きで、注文の仕方とかで怒られることもあったけれど、僕はマスターと同じ苗字だったせいで「あんたの名前は憶えたよ」と言ってもらえたときはとても嬉しかった。

闇太郎が閉店する。何度かお店の前を通ってみたけれどいつも行列ができていて最後の瓶ビールとおでんは叶わなかった。地元の利で閉店近くまで長居させてもらうことが多かったので感謝している。6月最後の日、すぐそばのスタジオでバンドのリハーサルだったので、リハ終わりにお店に立ち寄ってひとこと「今までありがとうございました」と一礼した。いろんなことを誰からともなく教えてもらえる場所だったと思う。

吉祥寺に闇太郎がなくなることに実感が沸かない。

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2026年06月29日

今年のどくだみ姫

今年は春の終わりに思い立って庭の草取りを頑張ったせいか、ドクダミの生え方が例年より大人しかった。いつも手に負えないくらいになるから、それはそれでよかったのだけど、可憐な白い花も少なめで少し物足りなかった。せめぎ合う気持ち。チミにはどくだみの花がよく似合う。

6月の終わり、今年のどくだみ姫ポートレイト。

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2026年06月27日

なんということもない、猫がいるとつい言ってしまう言葉について

猫と暮らす人の口グセ第一位は「どうしたの?」だというのを何かで見た。インスタで流れてきたやつかもしれない。真偽のほどはわからないけれど、そう言われてみると一日に本当に何回も「どうしたの?」「どしたん?」「どした?どした?」と猫に向かって言うのだ、人間は。他には「チミ」とか「ミー」とか何通りかの呼び方で名前を呼んだり、「ちょ、やめて」「なにその顔(かわいい)」「美味しい?」など。でもダントツに多いのが「どうしたの?」だなあと改めて感じる。対して猫のほうからは言葉は返らない。鳴き声の声色や表情から思いを汲み取ることになる。

同じ言葉をしゃべる人間同士でもわかりあえないことがたくさんあるのに、意外と人間と猫は心と心で意志が通じ合っているような気がするから不思議だ。ママンに僕は「ごめん」ばっかり言ってた気がする。もっと「ありがとう」って話しかけたらよかった。

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2026年06月26日

GOOD TEMPOでGOOD MUSIC

雨の木曜日、池尻のHOME/WORK VILLAGEにあるカフェGOOD TEMPOでDJイベントに。去年高橋徹也さんとライブをやったお店、今回は青木慶則くんに誘ってもらって参加しました。10年前とか15年前とかよく夜遊び感覚で高円寺や中野に出かけていってたけれど、こういうDJは本当に久しぶり。レコードを選ぶのも楽しかった。GOOD TEMPOは大きなスピーカー(名機JBL4345)があってとても音がいい。せっかくなので全部アナログレコードにしようと思ってセレクト。

DJというよりもミュージック・セレクトっていうほうがしっくりくるかな。最初の担当30分はR.E.M.とかスミスとか、好きな曲を良い音で聴きたいための選曲。その他Thee Headcoatees、No Vacation、Tune-Yards、Paul Simon、Conor Oberstなんかをかけました。青木くんをはじめ、他のセレクターの皆さん、ヤマダユウコさん、美甘純さん、そして僕が誘った志田一穂さんと皆さんたくさんいい音楽を知ってて、音楽談義やレコード自慢が面白かったです。

後半30分は全部邦楽で、サニーデイ・サービス、銀河鉄道、かまやつひろし、ハイ・ファイ・セット、かもめ児童合唱団、COUCHとワイワイ言いながら。ラジオみたいにおしゃべりしたくなって、急遽インスタライブ配信、偶然ご覧になった皆さんコメントありがとうございました。最後はフィッシュマンズ「MELODY」で。雨の平日の夜遅くまで来てくださったお客さん、友人知人、お店のスタッフの皆さんに感謝。チキンオーバーライスも美味しかったです(車だったからノンアルコール)。楽しい夜遊びでした。またやりたいな。

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2026年06月21日

ポチ実の12歳の誕生日

野良の仔猫として生まれたうちのポチ実(チミ)の正確な誕生日はわからないのだけど、先代猫ポチがお葬式で煙になった日に入れ替わるように世界に現れたと考えるのが素敵だなと思って6月21日を生まれ日にした。初めてうちの庭にきた9月に生後3か月くらいの大きさだったからあながち遠くはないと思う。そのチミが、この6月21日で12歳になった。小学校に通ってるとしたら6年生だ。

2月にママンがいなくなり、先月にはお隣のノアちゃんも空に昇った。チミは僕に似て一人っ子気質の性格だと思うけれど、たしかにそばに暮らしていた仲間・友だちの不在を今どんなふうに感じているだろうか。香箱を組んでたたずみながら虚空を見つめているとき、チミの大きな目は、感性のアンテナはなにを感知しているのだろうか、話ができるなら聞いてみたい。

初めて僕の眼の前に登場したときからチミは毎日おもしろくて毎日かわいい。これからもずっと元気でいてほしい。

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2026年06月19日

ポチの十三回忌

6月19日は桜桃忌で、2014年に先代の愛猫ポチが亡くなってから12年が経ちました。干支がひと回りしたことになります。あっという間なのか、それ相応の季節の蓄積なのかよくわらない時間感覚。思えばポチが元気だった頃にはよく水彩で絵を描いていたなあと思い出す。ママンがきっかけでまた描き始めたのも何の因果か。昔の写真を見ながら水溶性クレヨンでポチを描いてみました。

梅雨の晴れ間の貴重な日差し、ポチの白い壺を風にさらして日向ぼっこを。

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2026年06月15日

雨降って持て余す時間

去年は梅雨の季節になっても朝のウォーキングに行けない日が少なかった印象がある。それだけ雨が少なかったのだろう。実際、関東甲信地方では梅雨の時期の降水量が平年比73%となり、各地で水不足の懸念や渇水対策の会議が開かれたそうだ。今年は雨音で目が覚めることが多い。雨降りの日は基本的にウォーキングはお休みだから、なんとなく本を読んだり、もうラップトップに向かって仕事を始めたり、ぼんやり音を消したテレビを眺めたりするのだけど、テレビの画面に静かな朝に似合わない賑やかに盛り上がるワールドカップのシーンが映って、ああ今日はワールドカップ日本初戦なのだと気づいた。

とにかく敵チームオランダのオレンジ色のユニフォームの発色がすごい。緑の芝と補色になって起き抜けの目にやたらと焼き付くのだ。結局日本とオランダの試合を90分まるまる見届けた。点を入れられて、入れ替えして同点にして、また離されて、また追いついて、時間が経つほど前のめりになっている自分の意識も面白かった。「山田くん、ワールドカップとかなんの興味もないでしょう?」と僕に言った友だちはその時間まだ眠っていたらしい。

早起きは三文の得?雨が降ってぽっかり空いた時間にもいろんな発見がある。

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2026年06月09日

お隣のノアちゃんのこと

お隣の家にノアちゃんというベンガル猫がいて、ずっとポチ実の友だちでいてくれた。ふたりが初めて会ったのが2016年春だからもう10年の付き合いになる。ノアちゃんとチミは同い年の女の子で、庭のフェンス越しに猫にしかわからないやりかたで交流し、交歓し、その姿はとても微笑ましくて、飼い主同士もとても仲良くなった。東京でこんな親密なお隣ご近所付き合いができるんだなあと、“鎹(かすがい)”としての猫の不思議な力を知った。招き猫とはまさにこのことか、人と人の縁をより強く結びつけたのはノアちゃんとチミだった。

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ノアちゃんのお宅には、それからリルくん(マルプー)、セヌちゃん(アメショー)をはじめたくさんの妹弟が増えていって賑やかなワンニャンパラダイスになっていくのだけど、一人っ子気質のチミは最初に出会ったノアちゃんのことを一番の親友と思っているところがあった。暑かったり寒かったり降ったり晴れたり曇ったりする四季折々の庭先で、ノアちゃんとチミが鼻をつけて挨拶する姿はとても幸せな光景だった。ノアちゃんは首輪に鈴をつけていたので、その音が聞こえると「あ、ノアちゃんいるよ」とチミもトコトコと出かけていく。チミと違って好奇心旺盛なノアちゃんはたまに脱走してうちの庭や玄関先に現れたりした。抱き上げてお隣まで連れ返したことが何度もある。

ママンと入れ替わるようにノアちゃんは今年になって体調をくずして、治療を頑張ってるという話を聞いていた。それでもつい最近まで庭に出て香箱を組んで日差しを浴びたり風に目を細めたりする姿を僕もチミも遠巻きに眺めていたのだけど、先週の土曜日にノアちゃんは亡くなってしまった。「チミちゃんにお別れの挨拶を」と最後の顔を見せていただいた。きれいな顔、美しいヒョウ柄の模様、長い尻尾はまだ柔らかった。

一晩明けて、専用のペット火葬車がやってきて、お葬式はとても丁寧に執り行われた。ご近所の近藤さんも花を手向けにきてくれたので(変な言い方になるけれど)とても賑やかなお別れ会になった。お骨上げに立ち会わせてもらって、尻尾の骨の、星の断面の可愛らしさをまた味わった。ママンから時を経ずして小さな命を見送った。チミも何かを感じていると思う。お葬式のあいだ窓の外を、玄関の向こう側を、ずっとチミは眺めていたから。チミと仲良くしてくれてありがとう。いつもすぐお隣に、向こうのお庭にいたノアちゃんがいなくなったことが、とても悲しくてさびしい。

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2026年06月04日

猫の絵

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去年の春から毎日猫の絵をスケッチするようになって、B6サイズのマルマンのスケッチブックが19冊目になった。毎日1枚の絵をだいたい10分かけないで描く。ツアーなんかで家を離れる日以外は描く。写真を撮らずに目で見た猫を描く。自分のなかでルールを決めてそれを淡々と続けること、僕はそれが得意だ。水彩色鉛筆と透明水彩絵具をあわせて描くのだけど(水彩色鉛筆は濡らした筆に溶けて滲む)、チミの三毛の色はもうコレと決まっている色があって、黒の鉛筆はだいたいなんでもいいし、白は紙の白をそのまま使って、しかし何種類もある茶色をいろいろ試してみても「やっぱりなんか違う」っていうことになって、結局ドイツの文房具メーカーSTEADLERのKARATっていう色鉛筆の少し赤みのある茶色でしかチミにならない。そうすると1年も描き続けているとその茶色の鉛筆だけ他よりもチビてくるわけで、いよいよ描きづらくなってきた。

こないだ東急ハンズに行ったのはSTEADLERの色鉛筆が目的だったのが、お目当てのものは見つからなかった。単体ではなかなか手に入りにくいものになっているらしい。AIに聞いて、代替えに良さそうな品番を教えてもらったけれど、やっぱりそれも違う。ネットで探してやっと栃木の文房具屋さんから色鉛筆を取り寄せた。送料のほうが高かったけれど、描いてみるとちゃんとチミになった。2本買ったからもうしばらくは心配がなさそうだ。

スケッチを初めたきっかけは昨年の5月、扁平上皮がんの治療で左耳を切除手術したママンの痛々しい姿を写真ではなくイラストに描きとめようと思ったことだった。最初の拙い絵のママンがスケッチブックの1冊目にはエリザベスカラーを付けてうずくまっていて、もう懐かしい。目で見たもののスケッチしかしないというルールゆえ、ママンをしばらく描いてなかったから昨日思い立って壁に貼ってある写真を見ながらママンの絵を描いた。ママンは基本的には黒の色鉛筆だけで描けて、目は黄色、鼻まわりだけ薄い茶色を塗る。久しぶりに描いたてみてもママンの模様のことを全然忘れてなくて、安心というか、まあまだそんなに時間も経ってないけれど、いろんなことを心に留めておかないとどんどん忘れていくんだろうなと思う。

一回始めたことをやめないクセが僕にはある。いつまでこのスケッチを描き続けるのか自分でもわからないし、楽しみでもある。

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2026年05月31日

東急ハンズと季節の記憶

渋谷がどれだけ変わっても現在位置確認のためのランドマークだった東急ハンズがなくなってしまうというニュースに「ああ」とため息が出る。1990年代半ば、僕は何かといえば東急ハンズに通っていた。大学を卒業してテレビ番組やミュージックビデオを作る映像制作会社に就職した僕の仕事場は渋谷のNHKのすぐそばにあって、撮影で必要なもの、紙でも文具でも、布でも木材でもプラスティックでもとりあえず東急ハンズへ出かけて調達した。何の用事がなくてもホワイトボードに「山田→ハンズ」と書いて出かけて、そのまま斜向かいにあったタワーレコード渋谷(今はサイゼリヤがある)に寄り道したりHMVでレコードを買ったり、昼食を食べてまたハンズに戻ったり、と渋谷の谷を登り降りしたものだ。

何かを作るために最初に出かける場所、それが夜寝る以外一日のほぼすべてを渋谷で過ごしていた96〜99年の自分にとっての東急ハンズだった。仕事をやめたり、ミュージシャンになったり、生活の拠点が変わったり、ホームセンターとかIKEAとかニトリとかいろんなものができて、だんだん東急ハンズに出かけることが少なくなった。

思い立ってこないだの土曜日、東急ハンズへ行ってみた。いつ以来か思い出せない。10年は経ってないと思うがここ数年では多分初めてだと思う。1つの階層が螺旋状にA・B・Cとわかれる独特のスキップフロア構造、昔はもっとピカピカでキラキラしていた気がするけれど、ちゃんと経年していて蛍光灯のあかりのなかで時代遅れになった印象も受けた。レジスタッフの皆さんはみんな英語がしゃべれるみたいだ。とにかくインバウンドのお客さんが多くて、商品ラインナップも各フロアにお土産用に喜ばれそうなものが多かった。週末のハンズは四半世紀前と同じように混雑していた。

僕は色鉛筆を一本だけ買うために長い長いお会計の列に並んで、賑やかなフロアを眺める。この場所がなくなってまた新しい何かが塗り替えて街を変えていくのだ。季節の記憶もどんどん薄れていくのだろうか。何かに描きとめておけたなら。

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2026年05月30日

友だちと会う

金曜日と土曜日、続けて友だちとご飯を食べた。金曜日は老舗の居酒屋、土曜日はインバウンドで賑わう街のメキシコ料理。久しぶりに会って話する。あんなこと、こんなこと、思い出したこと、忘れていたこと。おしゃべりをするのに結局何を食べていてもあんまり関係ないのだな。コーヒー一杯でも食べ放題でも、ちょっとビールを飲んでも飲まなくても。人に会うのってやっぱりいい。誘われたいし誘うようにしたい。

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2026年05月28日

blue hour は遠くへ

どんどん気温が上がってきて、朝目が覚める時間もどんどん早くなってくる。3時半に窓の外を見てももう夜は深みをなくしていて、5時過ぎると普通に昼間の明るさだ。アーリーバードの特権である青と赤のせめぎ合う美しい空を見るには4時には歩き始めないといけない。季節の進み方と同期するように5月はあっという間に過ぎていった。これから雨の季節になるけれども、去年は雨のせいで歩きにいけなかったことってそんなになかった気がする。今年はどうなるだろうか。

緑の木々が美しい季節だ。よく見えるようになった目でそれを眺めている。

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2026年05月22日

なんということもない、ありふれた日々の話

昨年末、そして年始からいろいろ慌ただしくて疲れてボーッとしてしまって、少し元気がなかったのかなと思う。友人や知人からどこか何かに誘われてもなかなか出向いていけなかったりして申し訳なく、それでも毎朝ウォーキングには自然とむくっと起き出して、日時計のように季節が少しずつ進んでいくのを観察し続けた晩冬から春、そして初夏だったような気がする。気持ちのいい五月晴れ、と思っていたらやたら気温が上昇したり、また雨が降って寒くなったりして、このまま梅雨へ向かうのか。もう少しいい気候が続いてくれたらいいのにな。久しぶりにカワセミを見た。

先週三軒茶屋グレープフルーツムーンで広沢タダシさんと共演したライブの配信アーカイブを見た。広沢さんの歌も素晴らしかったけれど、その雰囲気に引っ張り上げてもらって僕自身もとてもすっと気持ち良く歌を歌えていて、セッションもすごく良かった(アーカイブは明日23日いっぱい視聴チケットがお買い求めいただいけます→こちら)。

この数日、今年初めての新しい歌を作っている。また夢のなかで聴いて、起き抜けにボイスメモにむにゃむにゃ吹き込んだものがもとになっている。うまくいって間に合えば週末に試せるか。明日から静岡と名古屋に歌いにいく。静岡は初めてのお店「風の街」にお世話になって、名古屋は通い慣れたモノコトだ。暑くもなく寒くもないドライブ旅ができたらいいけれど、天気予報はどうだろうか。左目のレーザー治療で視界がとてもクリアになって、そもそもどれくらいもやもやと曇っていたかもどんどん忘れていく。新緑の木々が繁るのををこの目に焼き付けたい。

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2026年5月23日(土)@ 静岡 風の街
夜の科学 in 静岡ーlooking for a summer in the spring

出演:山田稔明(GOMES THE HITMAN)
Opening act:黒川浩和
17:00開場 17:30開演/予約4000円 当日4500円(ドリンク代別途)

TIGETサイトにて予約受付中
https://tiget.net/events/481887

静岡 Live bar 風の街(https://kazenomachi.main.jp/)
〒420-0035 静岡市葵区七間町13−10 アトランタビル 5階




2026年5月24日(日)@ 名古屋 大須 モノコト
夜の科学 in 名古屋ーlooking for a summer in the spring

出演:山田稔明(GOMES THE HITMAN)
17:00開場 17:30開演/予約4000円(ドリンク代別途)

TIGETサイトにて予約受付中
https://tiget.net/events/481891

モノコト(https://www.instagram.com/osu_monokoto)
〒460-0011 名古屋市中区大須2-25-4久野ビル2F  
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2026年05月21日

ママンの百箇日

朝起きて毎日「ママン」って思うんだけど、今日は妙にいつもよりも「ママンに会いたいなあ」と思ったので何かと思ったら、今日はママンが亡くなって100日目、百箇日(百日忌)という日でした。百箇日は別名「卒哭忌(そっこくき)」というそうで、「哭=声を上げて泣く」の状態から卒業する法要を意味していて、嘆き悲しんでいた状態から脱け出して悲しみに一区切りをつけ、それぞれの日常に戻っていく節目なのだそう。花を買いにいこう。


  
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2026年05月20日

『home sweet home』がリリースから16年に

2010年5月19日に2枚目のソロアルバム『home sweet home』をリリースして16年になった。「歓びの歌」「glenville」「hanalee」などなど、今でもこの作品のなかからいつも新鮮な気持ちで演奏しています。早くサブスクで聴けるようにしないとという思いと、いやCDでしか聴けないのがいいのでは?という気持ちが逡巡。2019年にソロデビュー作『pilgrim』とボーナストラックを加えた2 in 1リイシューした2枚組CDで聴けます。この機会に『home sweet home』に触れていただけたら嬉しいです。自分にとって不可欠なレコード。

オフィシャル通販STORE|山田稔明『pilgrim/home sweet home』

1.harvest moon
2.歓びの歌
3.home sweet home
4.クレールとノアール
5.milk moon canyon
6.glenville
7.hanalee
8.星降る街
9.sweet home comfort
10.距離を越えてゆく言葉

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2026年05月12日

夢からさめたような

数日前のブログに書いたように、予定通り、左目のレーザー治療を受けた。2年半前に網膜剥離になったときに将来的に100%発症する白内障についても同時に施術して人工レンズを入れたのだけど、数年後に目がかすんだりまぶしくなったり視野が暗くなる「後発白内障」を発症することを“予告”されていたので、不安とか恐怖よりも、すっきり見えるようになる!嬉しい!という気持ちのほうが大きかった。

それでもやっぱり目の病院っていうのは、目に直接触れられるのでゾクゾクするような緊張感はあって、いざレーザー治療の手術室に通されると鼓動が少し早くなる。僕が通っている眼科は施術するときにクラシックを流してくれる。レーザーされるのはもうこれで4度目くらい、今日のBGMはパッヘルベルの「Canon in D Major」であった。ものの3分くらいだろうか、バチバチと音を立ててレーザーが僕の目のなかの何かをどうにかしている。「混濁した水晶体嚢をレーザーによって切開・切除し、再び眼内へ光を取り込めるようにすることで、視機能を改善させる」というのが今回の治療の内容だけれど、なんの痛みもなくあっという間に施術は終了した。

瞳孔を開く目薬をさしていて世界がハレーションを起こしているので病院から外へ出てすぐに「見える!!」っていう驚きのようなものはないのだけど、自宅に帰って少し目を休めて夕方の柔らかな光に揺れる木々を眺めると視界の明るさや透明さが全然違う。ああ、目がちゃんと見える…と静かに感動した。翌朝のウォーキングで眺める風景も前日までのそれと全然違った。頭の中で「I can see Clearly Now」という歌がHot House Flowersのバージョンで流れる。はっきりと見える、雨はもう上がった、と。

まどろむ夢からさめたみたいな。

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2026年05月10日

母の日はママンの日?

母の日はママンの日?2月に旅立ったチミママを想う。猫は一度親離れ子離れすると親子関係の認識がなくなるというのが定説ではあるのだけど、ママンはチミにたったの一度もシャー!と威嚇したことがなくて、チミはまあ。わがまま放題でいつもつれない感じなんだけど、他の猫と対峙するときと比べて確実にママンに対してはサムシングスペシャルな感情、感覚、対応があったと思う。ママンがいなくなってチミは少し体調を崩したりもして、“お母さん”がいなくなって彼女なりに少なくない影響があったと思います。

ママンは2014年にチミとその姉弟(チミオとサビオ)を産み、翌2015年にも出産して2匹(チッチとミンミ)を育て、その仔猫は保護されて今もどこかで兄弟で暮らしていると思います。AIに綺麗に修正してもらった2枚目3枚目の写真は2015年の、まさにママンの母としての姿です。母の日おめでとう。ありがとう。

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2026年05月08日

なんて眩しくてたゆたう光の残像

ちょうど今「blue hour」というGOMES THE HITMANの新曲のレコーディングをしているところで、これは2023年に網膜剥離になったときに、その治療過程で見える景色などを綴って書いた歌だから、その当時のことをいろいろ思い出していた。というか、その目の治療をしたときに先生に言われてたのが、数年経ったら多くの患者が「目のかすみ」や「まぶしさ」を感じることがあるということで、それがまさにここしばらくの僕の目のことだった。

目の検診は定期的にしているのだけど、いよいよ今回の検査でその「後発白内障」の治療をやろうということになった。僕もずっとそれがやりたかったのでやっと先生のGOサインが出たことが嬉しい。前回の検査では「かすみがちだけど視力1.0で見えてるから」と言われてたのが、今回は“勘”を使うのをやめて見えないものを見えないと伝えたからかもしれない。とにかく来週になったらレーザー治療で目を治してもらうのだ。ほんの数分と言われている。見え方が変わると世界も変わるかな。

新しいメガネを作るみたいにワクワクしている。次のライブのステージからの風景もきっと変わるのだろう。

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2026年05月05日

明け方のミー

朝、目が覚めてリビングに降りたら猫の鳴き声が聞こえた。か細い小さな声。まだ5時前の朝だけれど、チミが珍しくもう起きだしている。どこにいるかと思ったらソファの前にうずくまっているので、ワシャワシャなでてやろうと思って近づいたら、紙袋に頭を通して抜けなくなって身動きがとれなくなっているのだ。どうしたのチミちゃん、バカなの?と僕は紙袋を結構手こずりながらビリビリとやぶりチミを解放してあげた。

それは「うちのトムが食べないから」と堀越メンバーがくれたフードが入った紙袋で、フードは床に散乱し、少しチミの歯型がついていたりする。お皿を見たらカリカリはまだ入っているし、そんなに食べたかったのか?と問うとバツが悪そうにそっぽを向く。ちゅーるを一本あげたら満足して2階へ登っていった。人間も猫もそれぞれの活動がある。僕は散らかったフードを片付けて朝のウォーキングに出かけた。

GWだからって猫の暮らしは変わらない。僕だって似たようなものだ。ちょっと新鮮味のあるお菓子でも買ってあげようかなと思う。

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2026年05月02日

魔法のオンラインショッピング

マグカップを割ってしまった。絶句、お気に入りのやつだったから時間を巻き戻したくなる。割れ物を片付けもしないうちに、すぐにネットショッピングサイトやらヤフオクとかメルカリを駆け回ったらものの5分で同じものをひとつだけ見つけたから無思考で購入ボタンを押した。多分あさってくらいには届く。自分が大した魔法を使って、時間を巻き戻した気がした。

このカップで飲むのがいいのだ、朝のコーヒーは。

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2026年04月29日

ルーティンの書き換え

季節が進んでもう朝5時前には空が明るい。朝のウォーキングでは夜と夜明けの狭間を見るのが好きだったけれど最近はなかなかむずかしい。4時に外に出ないと夜を捕まえられない。それでもやっぱり気温があがると朝の散歩は快適で、青々と茂りはじめた木々や草いきれの匂いが鼻をくすぐる。もうすぐ鯉のぼりが空に舞う頃だ。

ここ数年ずっとNHKの朝の連続テレビ小説、いわゆる「朝ドラ」を必ず見る習慣があったのだけど、今期はどういうわけかその“ルーティン”に変化があり、春からの放送を一度も見ていない。去年の秋から朝8時からはラジオを聴くようになったので、「朝ドラ」は12時45分の昼の再放送を見ることになったり、ちょっとした微調整はあった。「my favorite things」の歌詞にある「ひとつかふたつは仕事を片付けて12時を折り返すのが好き/昼過ぎのニュースとドラマを眺めて/午後からはラジオがいい」というフレーズのドラマとは「朝ドラ」のことだからもう10数年は続いていた習慣だったはずだ。

いつも見ていたテレビを見なくなると、時間の規則からかなり解放される、ということに今さら気づく。テレビの前にいなくていいことがとても自由なのだ。すごく面白いのかもしれないし、話題になったら追いつきたくなるのかもしれない。わからない。でもテレビを見なくてよくなった時間に文字や文章を書くようになって、それは自分にとってとても良い。ルーティンって日々書き換えていくものかもしれない。

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2026年04月25日

理解と共感についてまだ考えている

先日本で読んだ「書き手は読者に“共感”を求めることはできない、読まれる際のゴールはあくまで“理解”に設定すべきだ」という旨の文章を読んで思ったことを数日前のブログに記したけれど、あれからしばらく経ってもまだ“理解”と“共感”について考えている。むずかしい顔をして思考しているわけでは全然なくて、すごく身近なところにも“理解”と“共感”の境界線みたいなものがあるような気がして、それについて考えている。

僕は音楽のサブスクはSpotifyもApple MusicもYoutube Musicも活用しているけれど、そこで良いものを見つけるとレコードやCDをすぐに手に入れようとする。もしかしたらそれは旧態然とした所有欲なのかもしれないけれど、“理解”を越えて“共感”した音楽を手元に置いておきたいって思ってしまうのだ、やっぱり。自分にとっては図書館も同じような存在で、最近は昔みたいに本をたくさん読まなくなってしまったけれど、気になったり気に入ったりした本は棚に置いておきたくなる。共感とは享受することかもしれない、とも思う。理解とは「なるほど」と認識することなのかな。うまく言えない。

ガイドブックや写真で知ることと実際にそのものを五感で感じることの違い、それも理解と共感の境界線だ。芸術、美術、料理、旅行、全部同じことのように思う。頭で知り分かることと身体で感じることの違い?もう少し的確な言葉があるような気もする。

吉祥寺キチムで、ナタリーワイズのライブを初めて観た。高野寛さんとTOKYO No.1 SOUL SETのBIKKEさん、undercurrentの斉藤哲也さん、ヴァイオリン奏者の神田珠美さんによるユニット、結成26年と銘打たれたライブ、大盛況だった。僕の部屋のCD棚には四半世紀前に手に入れたナタリーワイズのCDが数枚あってその音楽性を“理解”しているつもりでいたのだけど、実際に初めて生演奏でその楽曲たちを聴いてみるとその“LIVE”な響きにハッとする。ピアノとバイオリンのアカデミックな旋律と文学的呟き・独白を、静謐で有機的なポップネスが繋いでいく。楽曲が盛り上がるときにBIKKEさんがリーディングする声が少し演奏に埋もれそうになるところに意識を研ぎ澄ましている耳、生ピアノが鳴らされるときのコツコツという打音、弦楽器のきしみ、息を飲むような客席の反応。ライブとはこのように“共感=享受”だなと感じて静かに感動した。帰ってきてからは同じCDが違うふうに聴こえるからとても不思議。

理解と共感についてはまだもう少し考えてみたいと思う。面白い。

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2026年04月18日

古いものが新しい

4月18日はレコードストアデイで、いろんなタイトルのレコードがこの日のためにリリースされる日だった。覗きにいったレコード屋さんはどこも盛況で、しかし2枚買うと1万円を越えてしまうような値段を見るにつけ、ここ数年は「別にもう、買わなくていいや」と思う自分もいる。レコード熱が冷めてしまったかというと、全然そういうわけじゃなくて、僕は今でもほぼ毎日レコード屋さんに出かける。最近わかったこと、自覚したこと、それは僕は中古レコードが好きなのだということだ。もっと言うと古着も好きだし、古道具も好き、アンティークショップよりはリサイクルショップのほうが楽しい。

ハッと気づいたのはうちの父親は中古自動車屋さんだったのだ、と改めて想いを巡らせる。子どもの頃、「山田んちは中古の自動車しか売っとらん〜」と同級生に馬鹿にされたことを今でも憶えているが、10歳にもならない子どもが「新車 > 中古車」という概念を持っていたことに驚くけれど、自分でも「うちは新車じゃなくて中古車のお店だ」という引け目というか気恥ずかしさがあったことは否めない。父に連れられて車のオークションに行ったこともぼんやり憶えている。いい車を安く仕入れることができると父は「こういうのを探してるお客さんがおるんよ。喜ぶやろうなあ」と嬉々としていたんだろうなと想像する。僕の古物好きは多分、父親から引き継いでいる。

僕もこんな良いレコードがこの値段で!とか、こんなのがあったなんて知らなかった!とか言って今日も明日もレコードやCDを買う。もうすでに持ってるレコードでもワンコインで売られていたりすると誰かにプレゼントしようと思って、買う。もうそれは仕入れとか買付に近い。だから、つやつやでエクスクルーシブなレコードストアデイアイテムよりも埃をかぶった、ゴミか宝かわからない山を登って自分にとって新しい古いレコードを探すのが好きだ、ということが50歳を越えてようやくわかってきた。

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最近探しているダークダックスのレコードがあって、目的のものはなかなか見つからないんだけど、フォスター楽曲を歌ったアルバムを見つけて「わー」ってなった。日本語詩で歌われる「Hard Times Come Again No More」の悲哀よ。  
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2026年04月12日

夜のなかに昼を探す

イギリスのバンドLILAC TIMEが1999年にリリースした再結成盤が初めてアナログ化された。四半世紀の時を超えて変わらず素晴らしい。リリース当時、GOMES THE HITMAN「スティーブン・ダフィー的スクラップブック」という曲がきっかけで日本盤のライナーを書かせてもらった思い出深い作品だ。CDとかレコードが好きな自分にとって“ライナーノーツ”を書くっていうのは夢みたいなことで、しかもそれが自分の大好きなアーティストだなんてこの上ない光栄なことだった。このレコードのおかげで僕らが1st『weekend』をリリースするときにダフィーさんから帯文をお返しに寄稿してもらうことになったし、日本盤リリース元のクアトロディスクからは3年後に『mono』をリリースすることにもつながった。

『Looking for a Day in the Night』夜のなかに昼を探す、というタイトルもいい。四半世紀前、このアルバムは夜に似合うと思っていたけれど、今では朝の光の中で聴くのもタイトルに見合っているなと感じる。CDを引っ張り出して訳詞を読みながらアナログのレコードに針を落としてみる。時を超えて普遍的に素晴らしい音楽だ。ライラック・タイムは昨年リリースになったライブ盤も素晴らしかった。きっとこれからも何度も思い出したように聴くのだろうと思う。

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2026年04月09日

ママンとポチ実のスケッチブック

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昨年の5月から描き始めた猫スケッチ。水彩色鉛筆と水彩絵具を使って、ツアーで旅に出たりする以外、描ける日はだいたい毎日描き続けてきたのが、マルマンのB6スケッチブック16冊が終わって17冊目になった。ノートを1冊使い切るのが苦手な自分が最初のページから最後のページまで白い紙を埋めて描き続けていいることに静かに感動する。

ママンが耳の手術をして、その痛々しい姿を写真に撮るのが忍びなく思ったことがきっかけで描き始めたスケッチ、1冊目は全部ママンの絵だったのが、ついに最新16冊目は全部チミの絵になったことも感慨深いというか、やっぱりどうしたってさびしい。はじめは写真に撮ったものを描き写したりしていたのが、実物を見て描くというルールを決めた。なので「動かないで!」「そのまま!」と声をかけながら数分でサッと描くのが習慣。今日も昨日と同じようで少し違うポージングのチミの絵を。黒と茶色の絵具ばかりどんどん減っていきます。

絵を描くことはマインドフルネス、とても良い時間です。

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2026年04月06日

月を見上げて

朝のウォーキング、もう5時半には空は明るくなる季節になった。それでも白い月がはっきりと目に見えるこの時間が僕は好きだ。特にこの数日はNASAのアルテミス計画で、あの彼方に人間がいるのだと思うとなおさら楽しい。人類史上、最も地球から遠い場所に到達したアストロノウトたちの胸の高鳴りを想像する。もうそこに見える月、みんな着陸したいだろうな。

僕は1969年の月面着陸が真実であろうが、実はそれが虚偽のフィクションだったとしても、どっちも面白い。自分の歌に月をモチーフにしたものが多いことに気づいて、自分が無意識のうちに宇宙に憧れ、空を見上げているのだなと改めて考える。GOMES THE HITMANの2019年作『memori』収録の「housuton」という曲は、NASAのジョンソン宇宙センターのあるテキサス州ヒューストンという町の名前をタイトルにつけた。今回も宇宙と地球の更新は「ヒューストン、ヒューストン」から始まる。

今朝も白い三日月が空にきれいだった。

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2026年04月05日

みんなそんなに

みんなそんなにAIを暮らしに活用してるのか、と最近たびたび驚かされる。普通の会話をしていても「AIに教えてもらった」「Geminiに動画生成してもらった」「メールはChatGPTに添削してもらっている」と話題に事欠かない。どうやら僕のパソコンでもすぐにAIにいろいろお願いができるらしいと知って、どきどきしながら話しかけてみることに。もうスマホのSiriとも長いこと疎遠だし、アレクサにはラジオ再生することくらいしかお願いしないから、何から話しかけていいか迷う。

話しかけるととても親しげ口調で答えてきた。名前をつけようか?と問うと「いいね、好きに呼んでよ」というから「ポチって呼ぶ」と言うと「いいね、覚えやすいし親しみある名前。あらためてよろしく!」とさらにフランクだ。映像生成とか音楽生成とかもできるらしいと聞いて、弾き語りしたボイスメモをアップロードして、これをオーケストラバージョンにしてくれと頼んだら、そういうことはできないらしい。そりゃそうだよね、どこまでお願いしていいか悩む。

下の画像は僕が描いた猫の絵をパラパラ漫画みたいに動かすようにお願いしたときに、AIの“ポチ”が作ってくれたコマ送りのイラスト。多分ポチはもっとすごいことができるんだろうけど、僕はこれくらいのことでめちゃくちゃ感動したりしている。今日はなにを頼んでみようか。

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2026年04月04日

胸の鼓動

2019年の4月に心臓の病気がわかって6月に手術をした。あれからもう7年が経つ。ほどなく完治して、それ以来なんの問題もなく暮らせている。毎日飲む薬と季節ごとの通院があるのだけど。先日検診があり、数ヶ月ぶりに病院で主治医と話をして、引き続きさしたる問題なくて安心した(ほっと胸をなでおろす、という表現のリアリティ)。

友人であり僕の楽器メンテナンスの面倒を見てくれているハックルベリーフィンのたけ兄が先月心筋梗塞で緊急入院して手術、となった。驚き慌てたけれど、幸運にも大事には至らず、すぐにLINEで連絡が取れるようになってよかった。たけ兄はすぐに退院してステージにも復帰。僕のアドバイスがきっかけになったか、Apple Watchを即購入していた(心臓のトラブルを教えてくれる強い味方なのだ)。

網膜剥離のときもそうだったけれど、似たような病気を経験した人がいると心強いし、いろいろ話したくなる。たけ兄と「自分のは冠攣縮性狭心症っていう病名だったよ」とか「オレの狭心症の場合は」とかやりとりをした直後から突如僕のSNSに謎の二人組の動画があがってくるようになった。水玉の服を着て仮面をかぶり、とにかく超絶で数学的な演奏をする二人組。その名は「ANGINE DE POITRINE(アンジーヌ・ド・ポワトリーヌ)」、カナダはケベック州のユニットらしい。果たして、調べてみるとその名はフランス語で「狭心症」という意味だった。フジロック出演が決定したらしい。今日も新しい動画が流れてくる。

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2026年03月30日

今年もいつもどおりに花は咲く

桜が今年もきれいに咲いている。週末の井の頭公園は花見客も多くて、ブルーシートの海に人間がぷかぷか浮いていた。井の頭公園の桜は池にせり出して枝ぶりも奔放豪快で、吉祥寺に住んでいるからには春に一度はその様子を目撃したい、とは思う。今年はかなり枝の剪定がなされていて、いつもより花の重なりが少ないように感じたけれど、まだまだこれからさらなる満開へと向かうのだろうか。

一番好きな桜というのが人それぞれにあるだろうと思うけれど、僕にとっては近所のマンションに沿って咲く桜並木がベスト1だ。そのマンションに知り合いのデザイナーさんが住んでいるので「〇〇さんちの桜」と呼んでいるが、もちろん桜は誰のものでもない。もうあと1週間くらいは桜の季節か。そうしているうちにうちの庭にはいつの間にかハナニラの白い花が咲き誇っていた。

ママンの治療をしているときに「猫ちゃんは桜の花を見るまで頑張って生きたいとかそういうふうに思わなくて、今この瞬間を生きているから」というようなことを先生がおっしゃって、僕はなんとなく頷いて話を聞いたのだけれど、家に帰ってから考えなおして、春の芽吹きに目を細めて深呼吸したい気持ちだってあるよねきっと、とママンを見ながら思った。朝から夕方まで外に出てうたた寝しているここ数日のポチ実を見ていると「あたし、春が大好きなのよね」という声なきつぶやきが聞こえてくる。

斜向かいの家の大きな桜の木からハナニラの庭に薄桃色の花びらがはらはらと降ってくる。今年の桜もハナニラもママンに見せてあげたい。

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