母親が体調を崩しがちになった2020年頃から、病院に連れていったり入院しているのを訪ねたり、定期的に佐賀の実家に帰るようになった。めんどくさがりながら、やれやれとため息を吐きながらの帰省だったけれど、18年しか暮らさなかった故郷を追体験するような感覚にもなる。それでもやっぱり楽しい里帰りではないから息抜きがしたくなるわけで、そういうときに出かけるのはだいたいイオンモールとかゆめタウンとか、プレミアムアウトレットだったりして、カルディでコーヒーを買ってみたり本屋さんを眺めてみたり、別にそんなに欲しくなくてもなんとなく洋服を買ったりするのだ。
車で走っているとロードサイドが既視感のあるどこかと同じ風景で、ふと自分が今どこにいるのかわからなくなるときがある。故郷に帰ったときに、あるいは地方都市に迷い込んだときに立ち寄るイオンモールは東京と地方を繋ぐ境界線のような気がしている。母親を連れ出して最後に一緒に映画を観たのもイオンシネマだったことを思い出す。始まるのを待ちながら母はアイスぜんざいを美味しそうに食べていたけれどあれはなんというチェーン店だっただろうか。
