2001年にシングル「饒舌スタッカート」をリリースした後、GOMES THE HITMANはドラマー脱退により4人組となりました。所属レコード会社もなくなったバンドはインディーレーベルから新作をリリースすることになります。それまで潤沢な予算とたくさんのスタッフ陣とともに大きなスタジオで時間をかけて作っていたレコードを、小さなスタジオ、雑居ビルのなかのプライベートな作業部屋で限られた時間で行いました。この頃から自宅作業なども始まった記憶があります。結果『mono』はとても内省的な作品になりました。制作が始まった頃に起きたアメリカ同時多発テロ、そこから続く戦争というのも当時の僕の心に大きな影響がありました。
僕が猫と暮らし始めるのと『mono』の制作はタイミングが重なっていて、環境の変化から体調を崩しがちだったポチを動物病院に連れていった僕がレコーディング現場に遅刻することも多く、猫の具合に僕が面白いくらいにい左右されたことから、このアルバムは完成までの間『猫の看病日記』という仮タイトルで呼ばれることになりました。僕にとって、バンドにとって、このアルバムはとても重要な作品になったと思います。きちんと齢を重ねていくことの始まり、そんな感じがします。他のレコードに比べると『mono』は関わっている人の数が少なくて、その全員の顔を思い浮かべながら「みんな元気かなあ」と振り返っているところです。スマートフォンの小さなスピーカーで聴くのがもしかしたら一番この作品に似合っているのかもしれません。18年前、2002年に生まれたささやかな歌たちをぜひこの時代にお楽しみください。
『mono』を回想する・前編【00-ism】
『mono』を回想する・後編【00-ism】

GOMES THE HITMAN『mono』
2002年2月17日発売作品
2020年4月15日各サブスクリプションサービスにて配信開始
1.6PM intro
2.別れの歌
3.夜明けまで (情熱スタンダードvol.1)
4.目に見えないもの
5.言葉の海に声を沈めて
6.情熱スタンダード
7.笑う人
8.忘れな草
9.百年の孤独
10.表通り
GOMES THE HITMAN [ 山田稔明、堀越和子、高橋結子、須藤俊明 ]
with 藤田顕(from PLECTRUM)、東里起(from Small Circle of Friends)