
小説「猫と五つ目の季節」がそろそろ全国の皆さんの手元にも届くころでしょうか。通販プレオーダー分も連日発送、懇意にしているお店や書店でも先行販売がいよいよ始まります。どうかたくさんの(僕が想定しているよりもっとたくさんの)人に触ってページをめくって読んでいただけますように。装丁に関してはすべて完璧、とても美しい本ができたと自負しています。内容についてはぜひみなさんの感性でお楽しみください。どうぞ小説を手にした方はTwitterなどでハッシュタグをつけて(#猫と五つ目の季節)感想などを書いていただけたら嬉しいです。正式な発売日を迎える11月になったら140文字感想コンテストのようなものをやれたらと思っていますのでぜひご協力ください。
この小説のなかで主人公の<僕>が東京都立川市にある<猫返し神社>にお参りにいくシーンがあるのですが、これは事実に基づく話で(立川水天宮 阿豆佐味天神社といのが正式名称の実在する場所です)、動物病院での先生との会話に導かれて、巨匠ジャズ・ピアニストである山下洋輔さんのエッセイ本「猫返し神社」を読んだことがきっかけでした。そのことを山下洋輔さんにどうにかしてお伝えして御礼が言いたいと思っていたら、するするといろいろな縁が繋がっていって山下洋輔さんのコンサートに行く機会を得たのです。多分僕が意識的にジャズのコンサートを観るのはこれが初めてのこと。
結成27年の山下洋輔ニューヨーク・トリオ(ベース:セシル・マクビー、ドラムス:フェローン・アクラフ)の演奏はやんちゃで激しく優しくセンチメンタルで楽器同士が会話をしているような刺激的なものでした。山下洋輔さんと終演後に「猫と五つ目の季節」をお渡ししてお話をすることができました。僕のiPhoneのなかのポチとポチ実の写真を見せると目を細めて笑っていただいた。エッセイを読んで猫返し神社にお参りしなかったらポチ実も現れなかったかもしれないし、そうなるとこの本の存在もなかったという旨をお伝えして御礼を。「運命だね」と笑って話された山下さんは、それこそ “ダライ・ラマ法王”のような慈悲深い優しい顔をされていて、とても感動しました。
「セブン・テイルズ・キャッツ(7つの尻尾を持つ猫)」という、猫が鍵盤の上を駆けまわるような曲で始まったコンサートは、奇しくも「サウンド・オブ・ミュージック」の「My Favorite Things」で大団円。偶然か必然か、猫が招く物語はどこまでも続いていくのだなあ、と呆気にとられてしまうほどです。