

まずは僕ひとりでおしゃべりを。なぜ小説を書くことになったか、そしてその小説はどういうふうに始まるかを伝えるため小説冒頭を少し朗読。イトケンさんと近藤研二さんを呼び込んで、ご近所トーク。イトケンさんはずっと僕の留守中のポチの世話をしてくれて、お葬式まで付き合ってくれた恩人、今はポチ実が近藤さんにお世話になっている(まだ慣れるまでには程遠いが)。ポチ実登場のシーンを近藤さんとイトケンさんの即興演奏を伴奏に朗読。近藤さんが弾いたのは初めてのソロアルバムの表題曲「子猫のロンド」だった。そしてメンバーが揃ってバンド編成での演奏が始まりました。
『the loved one』から「my favorite things」そして「太陽と満月」と続く。ハンドクラップで会場の温度がふっと上がってみんなの口角もあがったように思いました。上野くんのフルートも加わってキンクスのカバー「Phenomenal Cat」、この曲は本当に演奏するのが楽しい、いつかちゃんと録音してみたい曲。小説中にある、震災の時期のことを描いた部分の朗読、そして震災後に書いた「予感」と続いて、このあたりから僕は小説「猫と五つ目の季節」と音楽の相性の良さをひしひしと感じはじめていました。ああ、こういうふうに言葉と歌でライブすればいいのか、と。

「眠れねこねこ」と「ポチの子守唄」の美しさと優しさ、これはどういうことなんだろうか(魔法とか?)といつも思う。この日も邪気のない澄み切った感情で歌うことができました。感動した。そして新曲「ブックエンドのテーマ」、この曲をこのメンバーでキチムの空間で歌うのが個人的なハイライトでした。今年の夏にたくさんの人が集まって賑やかに行われた大好きな友人のお別れ会の風景が印象深かったので今回キチムをライブ会場に選んだのですが、季節が変わってもこうしてみんなで集まることができて嬉しかった。あの人も今ここにいたらもっといいのにな、と思いながら遠くまで届くように祈りながら歌いました。みんなが元気で、そして幸せでありますように。
素晴らしいメンバーと手伝ってくれたスタッフと友人たち、ミルブックス藤原さん、カフェ長男堂、キチムのみんなとご来場いただいた皆さんに大きな感謝を。今年一番のステージになったと思います。できたての本も予想以上の数が皆さんの手元に旅立ちました。終演後の長い列、サインをする間のお客さんとの短い会話で、みんなひとりひとりそれぞれの物語を持っているのだなあ、と興味深く感じ入りました。今週末は金曜日に武蔵小山で小説の話をして、土曜からは九州へ本と音楽を持って旅に出ます。たくさんの人に会えますように。
