2013年02月24日

猫の隙間、バナナフィッシュとナポレオンフィッシュ



2月22日が過ぎてもやっぱりうちは毎日が猫の日のようで、昨日もお昼過ぎにポチを庭で遊ばせているとちょっと目を離した間にフェンスの隙間を通り抜けてお隣さんの庭へお邪魔して大騒ぎに。ポチは太っているからサリンジャーのバナナフィッシュみたいに通り抜けられないはずと過信(?)していたのだけど虎視眈々と密かにダイエットしていたのかもしれない。「ぽっちゃん、ぽっちゃん」と声をひそめて(お隣さんに気づかれないように)呼ぶも初訪問の別世界に興奮、鼻をくんくんと嗅ぎまわる。隣にはダックスフンドがいるからその匂いもするのだろう。

お隣の庭に踏み入るのも躊躇して、どうしようもない僕は玄関から回って「ごめんくださーい」とお隣さんの家の呼び鈴を鳴らすもお隣は留守のよう。もう一度庭に戻ってもポチは全然こっちに戻る気配はない。最後の手段、と家のなかからポチがいつも食べてるレトルトのスープを、「や、しかしそんな漫画みたいな‥.」と思いながら手にして「ぽっちゃん、ご飯!」と掲げると「にゃ!メシか!」と我に戻ったポチはスタスタとこちらに走って戻ってくるではないか。おまえ・・・。すぐにお隣とのフェンスの隙間をすべて目張りしたのは言うまでもない。今日もポチは隣の庭をずっと眺めている。猫にも隣の庭は青く見えるようです。

昨日は夕方から有楽町まで出かけた。佐野元春&コヨーテ・バンドの冬のツアーファイナル。昨年観たZEPPダイバーシティ公演はその一年を通じて大きな活力になるような体験だったが、コヨーテ・バンドとの新録アルバム完成後の今回のライブもとても素晴らしいものでした。国際フォーラムに入った瞬間に広くて遠いな・・と感じた印象はライブが始まると消えてしまって、僕はいつものオペラグラスでステージ上の表情に見入ったり、総立ちの客席越しの全体を眺めたり、高い天井に跳ねっ返る照明を見上げたりしていた。僕が前回のライブで印象に残った曲は「虹をつかむ人」というタイトルでアルバムに収録される。今からとても楽しみです。ステップを刻むアッキーのスニーカーの白いソールが目に焼き付いた。昔の歌も新しい歌も2013年の響き、言葉の光線に打たれたような夜。

来月出る『ZOOEY』というアルバムのタイトルは大学でサリンジャーを専攻していた僕にとっては「フラニーとゾーイー」を当然のように連想させるのだけど、佐野さんの口からは「もう今はいなくなった親友のニックネームなんだ」という言葉があって意外だった。この日演奏された「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」という曲は僕にまたサリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」の短編を思い起こさせる。そして同時にバナナフィッシュとなったうちの猫が穴から抜け出せないイメージも同時に浮かんできて、なんだかそれはとても楽しい想像でした。またどこかで合流を。

Posted by monolog at 11:38│Comments(1)│TrackBack(0) │

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この記事へのコメント
「Zooey」は、トリビュートアルバム「Border」に参加したHAL FROM APOLLO '69 のzoeさんのことのようですね・・・
元春らしいエピソードだな、と思いました。そして、そのことを考えると、曲や詩も少し違って聴こえてくるような気がしました。

「虹をつかむ人」の時には、山田くんがブログに書いていた事を思い出していました。「誰も君のブルースを歌ってはくれない」…あの日山田くんが持ち帰ったあのフレーズ、私も大切に持ち帰り温めていました。そして、この前の国際フォーラムで再びこの曲を耳にした時、また新たな感動が湧き上がって・・・涙があふれて止まりませんでした。
歌詞の内容はもとより、一つの曲が、ライブで歌われていくうちに成熟したのを目の当たりにして、その瞬間に立ち会えたことに何とも言えない嬉しさを覚えたのでした・・・

ライブをたくさんやっている山田くんの曲の中にも、きっとそういう曲がたくさんあるのでしょうね。
Posted by りーな at 2013年02月26日 20:47