


10月9日、倉敷でのライブ終了後の話。静岡での“夜の科学”を手伝ってくれた知り合いがなんの前ぶれもなくライブを観にきていたのでビックリ、静岡から半日かけてドライブしてきたのだと。車で岡山まで送ってもらう。途中、居酒屋みたいなところで風情があるとは言えない夕飯を食べたが、ライブの余韻で楽しく美味しいご飯でした。
翌日僕はお祝いの歌を歌いに。披露宴会場へ向かうタクシーのなかで「倉敷行かれたなら大原美術館素晴らしかったでしょう?」と言われたが、さすがにライブの日にゆっくり美術館をめぐる余裕はなかった。「エル・グレコの受胎告知を見ないと倉敷に来た意味がない!」と言われ心揺れる。僕はお祝いの歌を歌ったら東京へ帰って翌日の蔵前のライブの準備をしなければいけないのだから。
披露宴が終了しタクシーに乗り駅のほうへ。しかしここでもタクシーの運転手さんが「大原美術館にだけでも行ったほうがいい」と言うので急遽倉敷へ戻ることに。三宅商店のぶどうパフェも食べたかったので覚悟を決める。タクシーのなかでは運転手さんとの会話。なかなかこういうアートな話はできないだろうな。



三宅商店に「ただいま」と戻ると皆さん笑顔で迎えてくれた。パフェは残念ながら売り切れ。かわりにケーキセットをいただく。急いで大原美術館へ。運転手さんの言うとおりロダン作のカレーの市民に迎えられる。かけあしでの鑑賞だったけれども、明かりをそっと灯すような心がぱっと晴れるような素晴らしい所蔵物。ムンクとピカソ、そしてもちろんエル・グレコの「受胎告知」に見入ってしまいました。
日が暮れて倉敷の街並は幻想的になっていき、僕は新幹線の時間をチェック。岡山駅まで戻って岡本太郎の壁画「躍進」を眺めたところで気力も体力も尽きた。疲れすぎて帰りの新幹線のなかでは全然眠れず、結局くたびれ果てて武蔵野に戻ったのは24時だった。それでも文化的滋養を体いっぱいに吸収した2日間、また倉敷に行きたいし、この旅を経て次に向かう金沢でもとにかく見れるものは全部見てやろうぜ、という気持ちになっています。
僕を倉敷に向かわせた、タクシーの運転手さんとの会話を風景にのせて。