テレビを見るよりラジオを聴く時間のほうが多くなって久しいが、毎日なんとなく聴いているうちに好きになった午前中の「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」という、帯番組のなかのコーナー。まむしさんがうちの近所のドラッグストアに来るというので、とにかく僕はミーハーだから、自転車で出かけていったのだ。考えてみたらウルトラマンに出ていた人だから僕ら世代にとっては子どもの頃から知っている有名人だ。人だかりができている一角にまむしさんは凛といて、もう生放送は始まっていた。いつものようにまむしさんは「モナリザの薄笑いみたいな顔しやがって」とか「カラオケじゃなくて棺桶に入んなきゃなんねえな、おまえ」などと毒舌を飛ばしていた。
それにしてもそこにいたおじちゃんおばちゃんたちの楽しそうな顔よ。みんなニコニコ、ゲラゲラと声をあげて笑っていたし、僕もたくさん笑った。オンエアが終わってもまむしさんは話を続けて、政治のこと、介護のこと、年をとるということをについて講釈をしていたが、「元気に歳をとって、若いやつらに迷惑をかけないで、ああいうふうに歳を取りたいなと思わせるような老人になろうぜ、なあ」という言葉。85歳のおじいちゃんもひとりでまむしさんに会いにきていた。
ラジオを聴いていると「仕込みじゃないのか?」というくらいおばちゃんたちの受け答えがしっかりしすぎるときがあったのだが、それはおばちゃんたちが話上手なんじゃなくてまむしさんが話を引き出すのがべらぼうにうまいのだ、ということがわかった。なんだかとても元気が出るような、とてもいい気をもらいました。
その後ファミレスでぼんやりとコーヒーを飲んでいたら番組スタッフさんたちとまむしさんが昼食をとりに入ってきた。僕が帰り際に「おつかれさまでした」と声をかけたら「おう、これくれてやらあ」とまむちゃんカレンダーをいただいた。

