2023年03月30日

ジャクソン・ブラウン、ロードアウトそしてステイ

今年に入ってたくさん楽しみな来日公演が続いて、個人的にはその締めくくり、ジャクソン・ブラウンを渋谷へ観にいった。言うまでもなくシンガーソングライターの最高峰、僕は2015年3月(そのときのブログ)、2017年10月(そのとき)に続いて3度目。すべてこのBunkamuraオーチャードホールで観てきたけれど、今回はチケットを取るのが遅くて(正直言うと行くかどうするか迷ってた)今までで一番遠い3階から見下ろす席だった。だけどやっぱり、ライブが始まってしまうともうすべての瞬間が芳醇で素晴らしい音楽で満たされた至福の3時間だった。

毎度名物の客席からの怒号のようなリクエストが今回は控えめだった気がしたのはコロナ禍以降のせいか。思わぬレアな曲もいくつか聴けたけれど、しっかりジャクソンが考えたセットリストで歌が聴けたのもよかった。2月にキーボード奏者のジェフ・ヤング、3月にデヴィッド・リンドレーと音楽を共に作ってきた盟友の旅立ちが続いたので追悼ムードも色濃かった。「Call It A Loan」は意外ににも唯一のジャクソンとリンドレーの共作曲だそうで、とても丁寧にギターのフレーズが演奏されたことが印象的だった。ジャクソンは今74歳、眉毛もひげも白髪になったけれど、すらりとした容姿と声は力強い。なんの不満もないコンサートだった。

本編最後は「孤独なランナー」で締めくくられたのだけれど、これは僕が初めて出会ったジャクソンの曲。アンコールでピアノにピンスポットライトが当たって始まったのが「The Load-Out」。これをずっと生で聴きたかったのだ。3度目のライブにして初めて体感することができて涙が溢れてきてびっくりした。ライブを見て泣くのはいつ以来だろう。そしてレコード通りに「Stay」が始まった。この繋がりが聴きたかったの、ずっと。最近買ったオペラグラスは明るくはっきり見えてとても良い。覗き込んだグラスのなかのジャクソン。これまでで一番悪い席だったけど、胸に迫るこれまでで一番素晴らしいコンサートでした。

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追記:ジャクソン・ブラウンがロックの殿堂入りしたときに彼を讃えるスピーチをしたのはブルース・スプリングスティーン。そのブルースの全アルバムをレビューする音楽メディアサイトTURNの素晴らしい企画に参加して寄稿しました。こちらもぜひお読みください。

疾走する男の気骨たる記録ブルース・スプリングスティーンアルバム・ディスク・ガイド


Posted by monolog at 23:33│Comments(0) │