この場所で最後の「夜の科学」はvol.61、「月あかりのラストワルツ」という副題をつけたのは直近にTHE BANDの映画を観たからで、実際はそこに「天窓」はないけれど差し込む月あかりを感じながら歌いたいと思ったのでした。ソロ楽曲には3拍子のワルツが多いし、最後に「ハミングバード」をやることは心に決めていたので。
途中少しセンチメンタルになって感極まってしまうシーンがあり動揺したんだけど、まあでも当然な心の揺れであり、まわりに仲間がたくさんいたので持ちこたえた。この日のライブのセットリストを考え始めたのはライブの1週間前で、その内容を見て近藤研二さんが「天窓のための新曲書くって言ってたの、どうなったの?」と一言。僕は正直、第3波で増え続ける感染者数を睨みながら毎日気が気じゃなかったので曲を書きおろすなんて無理だなと思ってたんだけど、近藤さんに言われたらやっぱり作るしかなくて(すごいのを書いて驚かせたかったし)やりとりをした直後から取りかかった。
タイトルはイベント副題にした「月あかりのラストワルツ」にしようと決めてギターを持ったら点と点が全部きれいにつながって、夜には全部書き上げた。歌い出しを書いてから最後までスーッと自分でも驚くくらい集中して盛り上がって。この日はいくつものハイライトがあったけど、やっぱり16年お世話になった天窓switchのための歌が完成したことがとても嬉しかったので、その歌詞を掲載してライブ後記とさせてください。また新しい場所でみんなで集まりましょう。表の灯りはつけたままにしておいて。
*12月13日(土)23:59までアーカイブをご覧いただけます

月あかりのラストワルツ
夜の静寂をくぐり抜けて
混線するラジオから
知らない国の言葉が僕を
不条理な夢に誘うのさ
淡い記憶をたぐりよせて
埃をはたいて眺めてたら
いろんな顔や笑い声が僕を
手の鳴るほうへ誘うのさ
表の灯りはつけたままで
この部屋のライトは消してみよう
あの窓の月あかりだけで
今宵、ワルツを


青い帳を覗き込んで
真空管の熱を扇いで
時計の針が19時をさせば
僕は光を集めて歌うのさ
めくるめく日々が通り過ぎて
出会いも別れも繰りかえして
暑いか寒いかどちらかのこの街で
いいことも悪いこともあったよね
3分半の主人公は
まだどこにも辿り着けないまま
あの窓の薄あかりの下
言葉を探して
嗚呼、不確かな希望
胸を打つ不規則な鼓動
僕の第六感と予想
君の感情 天気予報 光の残像


指で “パチン” とスイッチいれて
ボリュームを少し大きくして
まだ聴いたことのない歌だって
君をほら 新しい旅に誘うのさ
表の灯りはつけたままで
この部屋のライトは消してみよう
この窓の月あかりだけで
今宵、ワルツを
3分半の主人公は
まだどこにも辿り着けないまま
あの窓の薄明かりの下
今宵、ワルツを


photo by ka-ko