9月の始まりにこの場所で「harvest moon」が歌いたかった、というのもこのタイミングの緊急開催のひとつの理由だったかも。9月というのは個人的に特別な月なのです。カリフォルニア帰りで歌う「california」、様々な地名が織り込まれた羨望の歌をまた違う感覚で。僕がサンフランシスコを好きになったのは、そこが中1の教科書「New Horizon」のレッスン1の舞台になっていたこと、そしてロックの幻影への憧れが理由でした。スコット・マッケンジー「花のサンフランシスコ」は僕にまだ見ぬ理想郷を夢想させた歌。大学生になって「髪には花を飾りましょうサンフランシスコ」と書いた「緑の車」、そして「ストロボ」という曲の仮タイトルは「Sunflower Cisco」だったのです。


旅の始まり成田では初めてトラベラーズファクトリー成田店を覗くことができましたが、持っていったノートはMOLESKINEのCITY NOTEBOOKサンフランシスコ版だったのは小さな声で。「notebook song」「blue moon skyline」「pilgrim」「milk moon canyon」と旅の歌が続き、ここ数年のインドネシア、バリ島の旅を経てできた「ただの旅人」「baby driver」も意外とアメリカにもアダプト可能なことを再発見。来場者全員へのささやかなお土産はサンフランシスコの絵はがき。なるべく重複しないようにといくつかのお店で買ったやつ。
今回の旅はThe Nationalというバンドのコンサートを観にいくことが最大の目的でした。なので1曲、The Nationalのライブで最後に会場全体の大合唱で歌われた「Vanderlyle Crybaby Geeks」を。この日開場と終演時に流していたのはThe NationalのCDでした。アメリカは9月2日(9月の第一月曜日)が「Labour Day(労働者の日)」という祝日で、その直前の週末は夏の終わりを象徴するそうです。東京はまだものすごい暑さだったけど「20世紀の夏の終わり」で夏にさよなら。そしてスピッツの大好きな曲「夏が終わる」を初めてカバーしてみた。夏が終わる。音も立てずに。秋の歌を「光と水の新しい関係」「夕暮れ田舎道」「遅れてきた青春」と並べて、「星降る街」ではもう冬の足音。僕のシスコ信奉の象徴「雨の夜と月の光」で本編終了。
アンコールでは「9月になると思い出すこと」と歌う「どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと」。そして「セラヴィとレリビー」で締めくくり。旅の話とリクエストとサンフランシスコについての思い入れをうまいこと2時間のライブに昇華できたような気がしました。僕自身が楽しかった。


