みおさんは街のいたるところに立つクスノキの大木に興奮している。「あれもこれも絶対樹齢100年以上!」と。それもそのはず、みおさんの彫刻作品はほとんどが九州のクスノキで作られているのです。彫刻家の血が騒ぐのでしょう。まるで修学旅行のような旅。長崎書店は噂に聞く以上の素晴らしいお店でした。お店の入口のディスプレイには小さな彫刻たちがひしめき合い壮観。みおさんの展示もスペースの小ささを感じさせない愛に溢れた展示になっていました。長崎書店のボス長崎さんに薦められた紅蘭亭でお昼に中華を。地元の名店、とても美味しかった。


みおさんは午後から3時間の木彫りブローチのワークショップがあるので大忙し。僕は空いた時間に街を散策。長崎書店のすぐそばにあったSweet Nuthin' Recordsの品揃えが素晴らしくて、かなりそこで時間をロス(2枚購入)。修復工事のため覆われた熊本城を眺めながら長崎次郎書店まで歩いてみた。絶対行きたいと思っていたお店、そして風景。長崎次郎書店も素晴らしい本屋でした。棚も面白い。夏目漱石、森鴎外、種田山頭火、名だたる文豪との縁があり、その時間の流れを思いました。市電と車が錯綜する場所に建つ重要文化財、長崎次郎書店には翌日にも再訪することになりました。
再び市電に乗って長崎書店まで戻るとワークショップも佳境、たくさんの可愛いブローチが完成しました。



長崎書店の3階にあるリトルスターホールはもともと本の倉庫として使われいたスペースなのだそうですが素晴らしい空間でした。窓の外に大きなクスノキが覗くのもいい。旅の疲れも吹き飛ぶような音の響きの気持ちよさ。なんども「ここに来れてよかったねえ」とつぶやく僕とみおさん。ライブが始まる前から最高の夜になる予感がありました。僕自身のキャリアのなかで初めての熊本ライブ、ふたをあければたくさんのお客さん、そして猫のテトちゃん(ビル2階の看板猫)まで行儀よくライブを観てくれました。
みおさんの「木彫りどうぶつ図鑑」という展示名にあわせて、動物が出てくる歌という括りで選曲。猫はもちろん、青い鳥、ライオン、一角獣(!)、うさぎ、魚、とたくさんの動物が登場しました。この日のみおさんとのトークは面白かった。理想の兄像を僕に投映しているというみおさん、一人っ子で兄弟を欲しいと思ったことのなかったのに最近兄弟がいたらいいのにと思い始めた僕、ふたりの思惑が一致したので「血の繋がっていない兄妹」という契りを交わしました。お客さんもニコニコ笑っていましたが、一方でライブ中に涙を流している人が多くて、もらい泣きしないようにするのも大変でした。ああ、また来たいなあと思う街、お店が増えました。


終演後は長崎書店社長長��さんとイベント担当の佐藤さんと、美味しいビストロでご馳走になり、何から何まで幸せな一日でした。天気は午後から崩れて雨が降りましたが、心の中はずっと晴れ晴れとしていたのです。翌日午後の飛行機までの限られた時間で再び長崎次郎書店へ。この日から始まった「どうぶつえんのどうぶつたち」展を見ることができました。長崎書店スタッフの皆さん、ご来場いただいた皆さん(遠くから近くから!)、そしてスケジュール的にかなりハードな旅を楽しくしてくれたはしもとみおさんに心から感謝を。また熊本で歌いたいです。

