
何度目かの『pale/みずいろの時代』発売記念のライブ、前回の高橋徹也氏に続いて、今回は「Qui La Laの夏物語」に参加してくれたガールズバンドたんこぶちんのMADOKAをゲストに迎える。巣巣でのライブは春のヒックスヴィル中森さんとの永井宏さん個展以来でしたが、やっぱり落ち着くいつもの空間。普段全国のライブハウスでバリバリとロックバンド然としたステージをこなしているMADOKAにとっては逆にとても新鮮な演奏空間だったのではないだろうか、と思う。ライブ当日、少し早めに入ってピアノの真里さん含めてのセッション練習して開場を待つ。満席御礼、たんこぶちんファンの方々も楽しみにしてくれていたようで嬉しい。
今回のライブはご来場の皆さんに熊本のタルト屋 Tarteletteさんのお菓子を食べていただいた。店主岩崎さんが懇意にする熊本のお店に依頼したもの。九州出身の音楽家にとっても熊本大分に甚大な被害をもたらした大きな地震は2016年に刻まれた忘れられない出来事。定刻通り開演。新作のオープニング「pale blue」から始まるセット、「気分」「ナイトライフ」「セレナーデ」と曲順どおりに進む。もう組曲のような感覚さえある。「夏の日の幻」は窓の外に蝉の声をかすかに聞きながら歌うのがいい。歌と風景が溶けていくよう。

ゲストのMADOKAを呼び込む。彼女は佐賀県唐津出身、僕は同じ佐賀の鳥栖、今年二十歳の同郷の後輩とセッションするなんて不思議な気持ちだ。「唐津に行ったことがある人は?」という問いに会場ではたくさんの手が上がっていた。初めてMADOKAに会ったのは彼女が高校を卒業した18歳の頃で、小学生のときからバンド活動をしているたんこぶちんの演奏能力の高さに驚愕したのを憶えています。奇しくもMADOKAとは2014年と2015年、2年連続でテイラー・スウィフトの来日公演を一緒に観て、それこそ世代を越えて世界の歌姫のステージにうっとりしたのだけど、今回のセッションで選んだのはそのテイラー・スウィフトの「YOU BELONG WITH ME」のカバー。英語で歌うのは初めてという彼女でしたが堂に入った節回し。きっと良い耳を持っているのだろうな(演奏の様子を少しこちらで)。
たんこぶちんの『TANCOBUCHIN vol.3(TYPE B)』のなかで「Qui La Laの夏物語」をカバーしてくれたが、そのアルバムのリードトラックである「花火」という曲を僕からリクエスト。真里さんのピアノ、僕もギターとコーラスを添えた。夏の刹那、誰もが経験する夏の思い出王道ソング。そして「Qui La Laの夏物語」では場内手拍子。わが家の愛猫ポチを「ポチ様」と呼び敬って、最後の猫カフェのお客さんになったMADOKA、お盆なのでポチも弾む歌声を楽しんだのではないでしょうか。くぐもった青が梅雨明けして真っ青に染まっていくような時間経過が表現できたかと思います。



今年見た隅田川花火大会での記憶が鮮明だったことと、たんこぶちんの「花火」にも刺激されて、僕も「花火」という曲を書きたくなった。この日の午前中に書いた曲を夜に演奏するスリル、先週の「ぼくのノート」もそうだけど、自分へのハードルはフレッシュな気持ちを伴う。花火の向こうにある月を見上げて「月あかりのナイトスイミング」、そして僕が19歳のときに書いた「スミス」、「太陽と満月」「my favorite things」と青のグラデーションはピークへ。アンコールでは先週初めて披露した「ぼくのノート」を弾き語り。最後は「calendar song」で1年をひとまわりして夏の夜の思い出を作りました。
会場にはたんこぶちんのギタリストYURI、キーボードのCHIHARUも遊びにきてくれて、みんなで一緒に打ち上げ。いわゆる“HOME”の巣巣に新しい顔がいくつも加わって楽しい時間でした。たんこぶちんは9月15日に渋谷O-WESTでデビュー3周年を記念したライブがあります。可愛い後輩をよろしくお願いします。巣巣岩崎さん、お手伝いのみんな、熊本のTarteletteさん、YAMAHAスタッフの皆さん、真里さんとMADOKA、そして暑いなか駆けつけてくれた皆さんに感謝を。ありがとうございました。
