ポチを亡くしてすぐ、木彫刻家のはしもとみおさんがポチを作ってくださった。それは素敵なサプライズで、僕は思わず泣いてしまったのだ。ポチの写真をたくさん飾って眺める日々のなかで、手に触れられるものができたのがとても嬉しかった。はしもとさんはとても可憐で素敵な女性だが、その眼差しは鋭く、その作品にはたくさんの想いが詰まっている。はしもとみおさんから感想コメントが届いたのでそれを紹介します。いつの日か、はしもとさんの動物たちに囲まれて歌うようなことができたらいいな、と願う。そのときには動物チームの先陣にポチの木彫を置きたい。

猫と五つ目の季節 をよんで
不覚にも、新幹線の中で涙が止まらなくなりました。
私は、地方出張の際に、土地にちなんだ本を読むのが自分の中の楽しみになっていて、
九州の猫を取材に行く際の新幹線のお供に、以前「実家が佐賀で〜」とお聞きしていた
山田さんの本をお供に連れて行くことにしました。
小説なのに、ドキュメンタリーのように進むその内容に、山田さんがこれまで音楽と
どのように向き合って、音楽と暮らして、そしてポチとの出会いから、ポチと音楽との暮らし、
その全てが山田さんのリアルな足跡で、まるで山田さんの唄のように、
日常のささやかな幸せや喜び、淋しさをシンプルな言葉で書きとめた日記のようなものでした。
ポチと出会ったのあたりを読んでいたのがちょうど大阪くらいで、その後岡山、広島と物語は進み、
山口に着く頃にはページをめくるたびに涙が出ました。
どんな神様にでも力を貸してほしいくらいに、どうしようもないポチとの別れ、
私も猫、犬と生き物と暮らしてきたので、感情移入せずにはいられませんでした。
そして、九州へ新幹線は走り、奇跡へと物語は進みます。
それは、とてもあたたかな、奇跡みたいな命の物語そのものでした。
山田さんは歌で、詩で、そのちいさくておおきいたいせつなあたたかい日常を、
これからも唄っていくのだなと、私も彫刻でそんなことの端っこのほうでも、
つくっていけたらいいなと思いながら、悲しいだけではない涙を拭いて、
私は新幹線を降り、すこし深い呼吸をして、島に住む猫たちに会いに行ったのでした。
2015年10月30日、新幹線の中で。
はしもとみお