2013年05月16日

貴婦人と一角獣



昨日のこと、六本木の国立新美術館に「貴婦人と一角獣」展を観にいった。新しいアルバムに「一角獣と新しいホライズン」という歌を書いた僕が観にいかなくてどうするか、となかば義務感にも似た感情に駆られて。はじめはどこの国から来た展示なのかも知らなかったのだけど調べてみるとそれはフランスの、1500年頃のタピスリー(室内装飾用の織物)、大きな、6つで1セットの連作だという。

果たして辿り着いた場所には全長22メートルの迫力の空間があった。イヤホンのガイドを借りて時間をかけて観たのだけど、この6作にはそれぞれ名前がついていて、「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」の5感と、最後に第六感“心”を司るとされる青い大きな天幕を背景にした絵のタイトルを見て僕は息を飲むことになる。貴婦人を中心として、それぞれに一角獣、それと対になる獅子がいて、千花模様(ミルフレール)と呼ばれる文様のなかにウサギとかトリとか猿とかとにかく可愛らしい動物に溢れていた。

インディアンのラコタ族の言葉に「Mitakuye Oyasin=ミタケ・オヤシン」というのがあって、それは「All are related=すべては関連している」という意味なのだけど、この言葉を知ってから僕は点と点が繋がる不思議を心から楽しめるようになったところがある。たとえば「一角獣と新しいホライズン」に「届け冥王星の向こうまで」という歌詞を書いた後で、かつてNASAが打ち上げた冥王星探査機が「New Horizon」という名前だったということを知って、「ミタケ・オヤシン、だ…」と興奮したり。この日もそうだった。一角獣をきっかけに観にきた展示の終点の絵のタイトルは「我が唯一の望み」で、これは『新しい青の時代』に収録される「日向の猫」のなかで僕らが問い続けるフレーズであった。すべては繋がって連鎖するのだ。

興奮しながら「貴婦人と一角獣」を後にし、同じく国立新劇場で開催されている「カリフォルニア・デザイン1930-1965 “モダン・リヴィングの起源”」展へ。僕の果てなき憧れの彼の地である夢のカリフォルニアの現代史。1930年頃の開発前の街の航空写真から始まる展示は去年の夏をかけて読み終えた「ビーチ・ボーイズとカリフォルニア文化〜はるかな場所の一番近い場所」と完璧にリンクしていた。流線型のモダニズム、イームズの椅子、豊かさと自由なアイデア、バービー人形。遠くにアメリカの音楽が聴こえました。

一角獣とミッドセンチュリーとミッドタウン。言葉が湧いてくるのを貯金している感覚。

Posted by monolog at 08:05│Comments(0)│TrackBack(0) │

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