不定期に綴る『home sweet home』各曲思い出語り、今日はアルバム2曲目に耳に滑り込む「歓びの歌」です。この歌を書いた頃のことをよく憶えています。初演は2008年2月1日、初めての加古川チャッツワース公演のときでした(写真はそのときの様子)。当時、前年終わりくらいから空前の“オレ的佐野元春ブーム”があって新譜から旧譜まで聴きあさっていたころで(この日の加古川のライブで僕は佐野元春「SOMEDAY」をカバーしている)言葉を詰め込む詞作スタイルで影響を受けつつ、“都市生活者の孤独”と言う漠然としたテーマで書き始めた曲でした。加古川、神戸、京都と続くツアーに間に合わせたくて移動中にも歌詞を書き曲はだんだん長くなっていったのです。
歌は自分の背格好を上から順に描写するところから始まる。カタチと動物柄のワッペンが気に入って1週間日替わりでセレクトしても余るほど集めたアメリカのGOORINという老舗帽子メーカーのキャップ、細かいチェックのシャツ、どこに行くにもたすきがけするFREITAGのバッグ、迷彩柄のくたびれたコンバース、そうするうちに歌のストーリーがどんどん広がっていってプロトタイプがあっという間に完成しました。
歌の構成が完成してからはいつもライブの後半で演奏することが多くなり、当初『home sweet home』の曲順案でも後半に配置されていましたが、スタッフの適切な提言が降り積もった埃をかき回す新しい風となり、オープニングの煙幕からすっと浮かび上がる印象的なサウンドスケープに結実しました。
今日ここに紹介する音源は前述の加古川チャッツワースでの、最初にお客さんの前で歌った2年前、2008年2月の「歓びの歌」、初演ライブ録音です。手書きの歌詞とコード譜を見ながらじっくりと試すように、不確かなメロディも辿々しかったり「てにをは」が変わっているとこもあって、久々に聴き返してみてとても新鮮でした。「歓びの歌」演奏時にスクリーンに投影している映像にのせて。お楽しみください。