順序が不規則になってしまいますが「クレールとノアール」についての文章を書いた流れで、せっかくのニューリリースなので折を見てそれぞれの楽曲の解説や思い出したエピソードなどを記していきたいと思います。今日は新作『home sweet home』オープニングトラックとなる「harvest moon」について。
前作『pilgrim』の1曲目には「harvest moon theme」というイントロダクションが収められましたが、それより先に日本語詞のこの歌が存在したのでした。「目くらましの煙幕」というフレーズが気に入っています。ネイティブ・アメリカンについての本を、ニール・ヤングを聴きながら読んでいるうちにどんどんイメージが湧いてきた、という感じの歌。“harvest moon”とは言うなれば「中秋の名月」のことですが、インディアンが9月の満月のことをそう呼んで、収穫時期を享受したことに由来するそうです。
当初この曲のセッションではすべての楽器を僕ひとりで演奏していたのですが9月の月が満ちて欠けた後2009年の10月にfishing with john五十嵐くんにガットギターをダビングしてもらいました。作業と並行して9月から回ったツアー先で会場のお客さんに「ラララ」とコーラスしてもらっておよそ200人の“harvest moon choir”の協力を得て完成した1曲です。
僕は『mono』以降意識的にアルバム1曲目はイントロダクション的な重要な歌を配するよう心がけているのだけど今回も「これ以外にはない」というオープニングになったような気がします。夏になって、秋になって屋外で鈴虫が鳴くようなときにみんなの空耳で「harvest moon」のイントロが流れてくるくらいになったらいいな、と思います。