前日まで一緒に車で旅をした父親と同い年(67歳)のS&Gのパフォーマンスのクオリティに関しては正直過度な期待をしていなかった僕でしたが、ロックの殿堂入り、ガーシュウインアワード受賞の勲章はだてではなく、2時間のショーに完全に圧倒されました。
「America」のイントロと映像がスクリーンに映し出されて登場したふたりが最初に歌ったのはポールのギターだけを伴奏とした「Old Friends」、武道館2階真っ正面で音響も素晴らしく、なんというかたまにかすれるガーファンクルの高音もリアルな耳触りで「うわー来てよかったなああ」と感動しました。アレンジも練られていて懐メロではなく時を越えた名曲として歌が響いてきたことが嬉しかった。
そつなく演奏するバンドがポール・サイモンのソロセットのときだけいきなり強靭なリズム感とグルーヴを生み出したのが印象的でしたが、相棒ガーファンクルのスター性というか、その声とルックスが醸し出すエバーグリーンさはすごいなあとずっとオペラグラスを覗いていました。「明日に架ける橋」の絶唱は圧巻で、会場はスタンディングオベイションでした。
「暗闇くんこんにちは」と歌い出される彼らの代表曲「Sound of Silence」の2コーラス目は、
In restless dreams I walked alone
Narrow streets of cobblestone
'Neath the halo of a street lamp
I turn my collar to the cold and damp
When my eyes were stabbed by the flash of a neon light
That split the night
And touched the sound of silence
と綴られるが、このなかの単語やフレーズに感化されて僕は『neon, strobe and flashlight』や『cobblestone』というタイトルをつけました。この日のライブを観て僕はぼんやりと「旅路/家路」ということを改めて思ったりもしたのです。
彼らは「アリガトウ、アリガトウ」と繰り返していましたが「『ありがとう』はこっちの台詞ですよー」と一番大きな音でたくさんの拍手をしました(これは自分のライブアンケートにもお客さんがよく書いてくれる言葉なのだけど、良い音楽を聴くと本当にそう思いますね)。67歳になっても歌っている自分を想像しながら、この日唯一聴けなかった大好きな曲「Feelin' Groovy」をハミングしながら夜道を歩いて帰ったのです。